大学のあゆみ

学長挨拶

 建学以来、工業高校生を受け入れ、より高度な技術を身につけ社会に貢献したいという彼らの熱い想いに答えるべく、本学は「実工学教育」の理念のもと独自の教育を推進してまいりました。その成果は、卒業生が様々な職場で活躍し、我が国の産業の発展を支えてきたという事実が物語っています。また、本学出身の多くの教員が、全国の工業高校や中学の技術科教育においても多大な貢献をしてきたことも特筆すべき点です。

 私立大学の四割以上が定員割れという状況の中、本学は、この春も定員の1・1倍を超える入学生を迎えることができました。これもひとえに、日頃から本学をご支援いただいている関係者の皆様のお蔭だと思っております。あらためて深く感謝いたします。

 しかしながら、50周年を迎えようとする今、本学を取り巻く状況は劇的に変化しつつあります。2005年には80%を超えていた入学者に占める工業高校生の比率は、一昨年初めて50%を割り、この春の入学生では43%となっています。また、学生の出身地の分布も関東一都六県で85%を超え、八割近い学生が自宅からの通学者です。

 このような変化を踏まえ、工業高校生が安心して学べる大学、実験実習を重視した体験学習の充実といった「よき伝統」を継承しつつも、新しい時代の「実工学教育」に向けた変革にも積極的に取り組んでいます。指示待ちのマニュアル人間ではなく、現場で創意工夫できる技術者、生涯学び続ける技術者を育成することを目指して、文章能力トレーニングなどの初年次教育をはじめ、学生の「学びのスイッチ」を入れる様々な環境づくりに注力しています。記念建設事業の「新講義棟」は、まさにそのような学びの中心となる施設です。

 本学の何事にも真面目に取り組む学生気質は、開学以来変わらぬ社会に誇れる校風です。

 しかし、それに加え、自らの技術の意義を俯瞰的に見つめるためには、専門性を超えて他分野の人間とコミュニケーションする力も重要です。新講義棟にはスチューデントプラザなど、学生たちが自由に語り合えるオープンスペースや、チームで課題に取り組むためのゼミ室などが多数用意される予定です。

 これからも学生たちに選ばれるに足る大学であるよう努力を続けてまいります。ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。