理事長挨拶|日本工業大学について|日本工業大学
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日本工業大学について理事長挨拶

実践力を高め、
変化に対応できる技術者に

理事長 柳澤 章

今、世界は技術に限らず、政治・経済・文化あらゆる面で激動の渦中にあります。多分野にわたる激しい変化が互いに波及・影響し合って、これからの社会がどの様に形づくられていくのか、誰にも予測の難しい問題であります。
特に、技術の進展は、それが社会に及ぼす影響の大きさも含めて、ますますその重要性を増してゆくことでしょう。

この様な時代に工学を学び、これからの社会においてエンジニアとして活躍していくことが期待される諸君にとって、そして、諸君が職業人として実り多い人生を送るために、今、何を学び、身に付けておくべきなのでしょうか。
日本工業大学では、この学びの姿を「実工学」教育と呼び、プロジェクトリーダーになれる人材の育成であると考えています。
勿論、ますます高度化・複雑化する技術社会を担うためには、将来の能力の基礎となる、技能を含めた工学知識を習得しなければならないことは言うまでもありません。しかし、本学ではその上に、社会の変化に対応できる、実践力、人間力を持った技術者を育成したいと考えています。
そのために、本学では、「実工学の学び」として、諸君の学習に際しての指針を掲げています。その根底となるのは、まず、第一に技術を、それが実際の社会に存在する形で、抽象化したり、図式化したりせずに触れ、学ぶという事であります。「具象」に学ぶと言い換える事もできるでしょう。
そして次に、「具象」を頭に描きながら理論を学ぶという事であります。学びの過程においても、単に理論の修得に終わるのではなく、理論の先にある、さらに発展した具体化・実用化を目標として学ぶという事であります。この様な学びを通してこそ、変化に対応できる実践力を持った人材が育成できると言えるでしょう。日本工業大学では、この学びのサイクルを実現するために、私立大学として極めて充実した教育研究設備を持ち、諸君の意欲に応えています。

これからの技術社会を担い、革新してゆくためには、例外的な場合を除いて、個人の力でそれを遂行して行く事は不可能です。技術者には、あらゆる局面において、互いに理解し、協力し、時には共感し合ってその責務を遂行してゆく事が求められます。技術は人なりと言われますが、実務面においても技術者の人間力は、欠かせない能力の一つです。
日本工業大学では、職業人としての基礎力とも言うべき、この人間力の養成を「プロジェクトリーダになれる人材の育成」と位置付け、特色あるカリキュラムの開発、実践に取り組んでいます。その一つが「カレッジマイスタープログラム」です。
このプログラムは、講義科目の受講と並行して、諸君の取り組みたいものづくりを中心とした自主的な学びを、1年~3年間をかけて、じっくりと行うものです。諸君はそこで、自己の目標に向かって、構想力、企画力を養い、計画を着実に進展させる実行力、調整力を磨くことができます。仲間との共同作業の中で、コミュニケーション能力を含めた、総合的な人間力を高めてほしいと思っています。
その他、日本工業大学では、明治時代からの我が国産業技術の発展を辿ることができる工業技術博物館の設置、環境教育に積極的に取り組み、エコキャンパス日本一の評価を受けるなど、多くの特色ある活動を学生諸君と共に行っています。
激しく変化する技術社会においても、変らずに通用する能力を身に着けてほしい、変化に対応できる実践力を養ってほしい、そう願って私たちは教育研究に取り組んでいます。