日本工業大学 NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY

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日本工大の取り組み

環境分野研究奨励助成金制度の採択研究一覧環境活動に関する資料

優れた環境保全の研究に対して、助成金を支給

教職員、学生、学外者の枠を超えた共同研究体制として、保護者の会である後援会のご支援により設置された「環境分野研究奨励助成金制度」は、14年目を迎えました。この間75テーマの研究が取組まれ、学会への発表など社会への発信、環境管理活動への反映等々、着実に成果を収めています。平成27年度採択研究の成果報告と、平成28年度採択テーマをお知らせします。

平成27年度 研究成果報告(抄) 助成金額(総額100万円)

写真1

▲写真1.大落古利根川
流域に自生する菜の花。
春になると黄色い花を
咲かせる。

写真2


▲写真2.種子を用いた
検査結果。 どの種子を用いた
場合でも陰性を示していた。

■日本工業大学周辺における遺伝子組換え植物の屋外調査

・研究期間
平成27.9 ~平成28.8
・研究代表者
共通教育学群
芳賀 健
ものづくり環境学科
1年 岡村俊平
小林智成、細野芽依

近年、日本にも様々な形で遺伝子組換え作物が輸入されてる。特に、種子の形で輸入された場合、輸送中にこぼれ落ちた種子が発芽し、日本の各地で自生していることが確認されている。そこで本研究では、遺伝子組換え作物の一つであるナタネに注目し、日本工業大学周辺に遺伝子組換えナタネが自生しているかどうかを調べた。研究代表者およびものづくり環境学科の学生(3名)とともに、大学周辺に自生しているアブラナ科植物のサンプルを採取した(写真1)。今回調査した東武動物公園駅周辺に自生しているアブラナ科植物には、カラシナやアブラナは含まれていたが、遺伝子組換え作物として利用されているセイヨウアブラナは見つけることができなかった。採取したカラシナおよびアブラナについて調べると、どちらにおいても遺伝子組換え菜種検査キットで陽性反応を示す個体は存在しなかった(写真2)。したがって、現在のところ日本工業大学周辺には遺伝子組換えナタネは自生していないと考えられる。

図1. Web画面におけるメータとグラフ

▲図1. Web画面におけるメータとグラフ

図2. システム構成図

▲図2. システム構成図

■ホコリセンサを用いた環境汚染物質の可視化システムの開発

・研究期間
平成27.7 ~平成28.3
・研究代表者
情報工学科2年
勝間田研究室
鈴木清太郎、木村隆寛
小西大気、柴田尚明

本研究では、平成27年度から学生の参加が可能となった環境野研究助成金制度を利用し、情報工学科の学生4人で、ホコリセンサを用いた環境汚染物質濃度の可視化システムを開発し、それによって大気汚染における人体への危険を理解しやすい形式で周知することを目的とした。
開発したシステムは、温度、PM2.5、SPMの濃度をセンサで取得し、データベースに蓄積する。そして、図1に示す通り、それらの値をグラフ及びメータを用いてWebページ上に可視化した。メータは、センサの測定値によって、人体への危険がある場合には赤色に、少ない場合には緑色に変化することで、人体への危険を直観的に認識しやすいものとした。また、折れ線グラフを用いてデータベースに蓄積された過去の測定値を測定したエリアごとに視覚的に表示することによって、測定値の変化を知り、大気汚染問題について考えるための支援要素とした。本システムの概要を図2に示す。今後は、本システムを大気汚染問題などの環境に関する授業への支援に利用することを希望している。

図1 学内地中温度観測点A~F

▲図1 学内地中温度観測点A~F

図2 テレビの消費電力と推定

▲図2 深度別平均地中温度 

■キャンパス内地中熱利用による省エネ可能性に関する研究

・研究期間
平成27.9 ~平成28.8
・研究代表者
ものづくり環境学科
雨宮 隆
ものづくり環境学科
4年 渡邉 貢人
山口 健太郎
小峰 剛、安倍 和希

地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーのこであり、これにより地下約10m以深の温度は季節によらず変化が小さく安定している。この安定した地中温度と地表温度(外気温)の温度差を利用する地中熱利用システムは、天候や地域に左右されない安定性があること、夏期と冬期は省エネへのエネルギー利用が期待できることなどから、再生可能エネルギーの一つとして注目されている。本学宮代キャンパスは、もともと湿地を埋め立てた軟質地盤であることから、地中熱利用に適した環境にあると期待された。
本研究では、キャンパス内の各所で地表下の温度変化を年間に亘り観測した結果、どの地点においても地下2.8mでは温度変化幅が約5℃と安定しており、4m以深ではほぼ17.5℃一定になると推定された(図2)。よって浅深度の地中熱の利用が可能であることが明らかになった。地中熱循環水をラジエータを介してエアコン室外機と組み合わせた地中熱利用システムの運用実験により、エアコンのみの運転時と比べて地中熱の併用時に電力削減になることが分かった。この省エネ効果は、夏季に比べ、冬季の暖房運転において顕著に得られた。

図1 プラスチック材料磁気分離装置の概略図

▲ 図1  細胞透過性試験

■ペットボトルリサイクルのための
プラスチック分別システムの開発

・研究期間
平成27.9 ~平成28.8
・研究代表者
佐野健一a,居城邦治b
(a日本工業大学
創造システム工学科,
b北海道大学
電子科学研究所)
創造システム工学科
3年 飯島加奈子
2年 門井千夏
鹿山喬進

 細胞内薬物送達キャリアであるCCPC 140は、剛直で異方性の高いナノ構造を基本骨格とする人工タンパク質であり、HIV由来のTATモチーフやポリアルギニン、オリゴアルギニンといった既知の細胞透過性ペプチドと比較して100-1000倍の極めて高い細胞透過能を有する。本研究は、CCPC 140の構造異方性に着目し、分子の再設計と一連の解析から、高い細胞透過活性に必要な分子のアスペクト比は4.5:1以上であることを明らかにした。 従来の高分子分子標的薬の創薬ターゲットは、膜タンパク質が中心であったが、近年、 細胞内シグナル伝達系に直接働きかける高分子分子標的薬が注目を集めている。しかしながら、高分子薬は細胞内に自発的に取り込まれることがないため、高い細胞透過性を有 する薬物送達担体の開発が喫緊の課題となっている。我々は、アスベストやカーボンナノ チューブなどの剛直で異方性の高い構造を有する材料が、高い細胞透過能を持つことにヒントを得て、二本鎖α-helical coiled-coil構造からなる高アスペクト比人工タンパク質であるCCPC 140を創製した。予想をはるかに超えて、このCCPC 140は極めて高い細胞透過性を示し、既知の細胞透過性ペプチド(CPP)と比べ、100~1000倍の細胞透過能を有していた。  CCPC 140のアスペクト比と細胞透過能の関係を明らかにするために、CCPC 140の欠失変異体の解析をおこなったところ、熱揺らぎによりアスペクト比が6:1以下の変異タンパク質では構造を保っていなかった。そこで、新たな方針で分子を再設計し(Re-CCPC)、その熱安定性を調べたところ、アスペクト比が3.5:1の分子に於いても細胞透過能評価試験温度である37度でα-helical coiled-coil構造が保たれていた。次に、Re-CCPCsの細胞透過能を評価したところアスペクト比4.5:1のRe-CCPC 62では、CCPC 140と同じ程度の細胞透過活性を示した。またアスペクト比3.5:1のRe-CCPC48は、既知のCPPと同程度の細胞透過能を示した(図1)。これらの結果から、高い細胞透過能に必要なアスペクト比は4.5:1以上であることが分かる。これらの結果は、タンパク質担体に限らず細胞透過性担体の設計指針として極めて重要な知見を与える。

平成28年度 環境分野研究奨励助成金採択研究テーマ (総額100万円)

■磁性流体のスパイク現象を用いたディーゼル微粒子除去フィルタの開発

・研究期間
平成28.1 ~平成29.7
・研究代表者
ものづくり環境学科 准教授 桑原拓也
学生:ものづくり環境学科 4年 浅子晋介、菊池拓哉 
3年 岡村拓郎、服部 良

■炭素繊維を用いた食堂排水浄化に関する研究

・研究期間
平成28.10 ~平成29.9
・研究代表者
ものづくり環境学科 教授 雨宮 隆
学生:ものづくり環境学科 4年 白石健太 
3年 野村光汰、田邊佳祐、宮 諒平

■LED水耕栽培における無線端末制御を活用した融合型教材の提

・研究期間
平成28.8 ~平成29.7
・研究代表者
電気電子工学科 教授 平栗健史
学生:電気電子工学科 4年 武藤卓徳 2年 大谷花音、伊達隆人

■植物の水分状態モニターの開発

・研究期間
平成28.9 ~平成29.8
・研究代表者
創造システム工学科 准教授 秋元俊成
学生:創造システム工学科 4年 根岸智哉、野口浩貴 
3年 丸山恵佑、日野燦一、千場 翔

■超低コスト・低環境負荷のカード式化学分析装置の開発

・研究期間
平成28.8 ~平成29.7
・研究代表者
創造システム工学科 
准教授 池添泰弘
学生:創造システム工学科 4年 浜崎祐介、大森一輝、岡野佑亮、種部千遥