建築材料工学研究室

菊田 貴恒 准教授

Laboratory

研究室紹介

建築材料工学研究室では建築物を作る上で重要な材料であるコンクリートに着目し、「引張力に脆い」という従来のコンクリートの最大の弱点を克服する高性能な繊維補強コンクリートに関する研究を行い、長寿命な建築物の実現を目指しています。また、コンクリートの微細なひび割れの進展や長期的な耐久性に関する研究など、ミクロからマクロをつなぐ幅の広い研究を行なっています。

主な研究紹介

ひび割れ抵抗性能の高いセメント系材料に関する研究

一般的にコンクリートに代表されるセメント系材料は「引張に脆い」という弱点を有しているため、コンクリート構造物の安全性や耐久性を考えると、適切なねばり強さ(靭性能)をコンクリートに付与する必要があります。そこで、コンクリートに代表されるセメント系材料に適切なねばり強さを付与する一つの方法として、コンクリート中に化学合成繊維や金属繊維を混入する材料設計手法が様々なセメント系分野で注目されています。

現在取り組んでいる研究は、前述したようなセメント系材料に様々な繊維を混入し、従来のコンクリート等に比べ非常に大きなねばり強さを有するセメント系材料を実現しようとするものであり、従来のコンクリートの概念を大きく超える全く新しいセメント系材料の研究と言えます。これらの材料の中でも、特に複数種の繊維をコンクリート中に混入し、それぞれの繊維の複合効果を期待した「ハイブリッド型繊維補強セメント系複合材料」に関する研究が研究室の主な研究テーマです。この材料は繊維物性の異なる複数の繊維を適切に組み合わせてコンクリート中に混入することで、繊維の単一混入では得られない「より大きなねばり強さ」を発現することを可能とした材料であると考えています。

高い断熱性を有する環境配慮型のモルタルに関する研究

現在、建築分野の二酸化炭素の排出量は全排出量の3分の1を占めており、一刻も早い低炭素化が求められています。そのためエネルギー消費や二酸化炭素排出量を抑制することができる断熱性能が高い建築物に関心が高まると同時に断熱材の性能向上が期待されています。

このような背景のもと、地球上で最も軽い固体と言われ熱伝導率が極めて低いエアロゲルに着目し、エアロゲルを用いた断熱性能が高いモルタル系材料に関する研究を行っています。これまでの研究により熱伝導率が0.023W/m・Kという非常に高い断熱性を有するモルタルを実現できています。