建築環境設備研究室

吉野 一 教授

Laboratory

研究室紹介

建物の計画設計・建設・運用・廃棄までのLCCO2(ライフサイクルCO2)を考えた場合、約7割のCO2が運用時において排出される。換気・空調システムのエネルギー消費が運用時において多くを占めていることから、これらを低減させる必要があるが、建物内の居住者の健康性・快適性を満足させた上で省エネルギーを図ることが極めて重要である。

当研究室では、建物用途毎に居住者の健康性・快適性と省エネルギーを両立させる高効率な換気・空調システムを実験あるいはCFD : Computational Fluid Dynamicsを駆使して検討する。

主な研究紹介

高発熱機器から発生する放射熱量の測定手法に関する研究

厨房先進国である欧米では、種々の調理機器や換気システム毎に考えられた合理的な換気設計手法が整備されている。一方、我が国では約30年前の設計手法が今現在も使われている。厨房内の空調熱負荷計算をする際、調理機器から発生する①対流顕熱・潜熱がレンジフードから溢流する量、②調理機器からの放射熱量の和がベースとなる。特に、上記②に関してはその測定法が確立されていない。本研究では、調理機器から発生する放射熱量の測定手法の開発とこれに基づく空調熱負荷計算法などについて検討する。

業務用厨房の環境評価に関する研究

業務用厨房においては、加熱機器からの発熱および水蒸気発生があることから高温多湿な環境になりやすいため、作業性の向上のみならず作業者の快適性にも十分な配慮がなされるべきである。また、食品の取り扱いなどの厨房特有の要因である安全・衛生面への配慮も不可欠である。

本研究では、こうした分野において最も有効な物理環境測定及び作業者評価に安全・衛生面を加えた、業務用厨房の作業性・快適性評価の総合的な評価手法であるPOEM-K(Post-Occupancy Eva1uation Method-Kitchen)に基づき、厨房スペースの評価を行い、より良い厨房環境の実現を目指したいと考えている。特に、温熱と空気に関してはレンジフードから発生する熱や水蒸気の溢流が大きく影響することから、設備的な工夫によってこれらの影響を低減する方法なども検討し、これをフィードバックすることで、厨房の空調換気設備の消費エネルギーを低減できる可能性もあると考えている。