近現代文化・環境形成史研究室

安野 彰 教授

Laboratory

研究室紹介

私たちを取り巻く環境が、幕末以降、時代の変化の中で如何に形成されてきたのかを研究します。当時の住宅や建築、都市風景の成り立ちを、生活、経済、地域、技術、娯楽等の関連から総合的に分析します。研究を通じ、近現代における我が国の建築や都市文化の特質を探求します。

主な研究紹介

明治から昭和初期における行楽地や郊外娯楽施設の研究

近代においては、交通機関の発達によって、都心の外縁の郊外、都市から離れた場所に行楽地やリゾート地が開発されていきました。こうした開発では、しばしば社会で求められる理想的な都市像や新しい生活像が空間として反映されます。研究では、郊外の遊園地や住宅地、温泉リゾート地などを具体的な対象にして、それらの開発理念や形成過程、建築物との関わり、施設の使われ方や変遷などを明らかにしながら、当時の社会と都市空間の関係を読み解きます。

住空間や居住設備の近代化に関する研究

住宅の近代化では、間取りや構造の変化に限らず、衛生環境も重要で、設備機器の性能や設置状況に依存します。明治以降は、様々な設備の技術革新が進み、住宅内の環境もそれに合わせて向上していきました。しかし、設備類は、数十年ごとに更新されるため、実際の住宅での使われ方や変遷を具体的に知ることは至難です。そのため、一般のイメージと実際は、異なっていることが少なくありません。研究では、現存遺構に加え、文献の記述や図面など、当時の記録を丹念に追うことで、各時代の住宅内の設備やそれを踏まえた室内環境の実情に迫ります。

持ち家志向の高まりに関する研究

戦前期の日本の都市では、住まいは賃貸が主でしたが、戦後、急速に住宅の所有が進みました。こうした持ち家化が進むには、住み手側の意識が変わる必要があります。研究では、住宅の所有を促したものとして、昭和初頭から戦中期にかけて、無尽という月賦販売を手がけた企業の活発な活動に着目し、その事業手法や業績が急拡大した背景について分析しています。