非線形工学研究室

神野 健哉 教授

Laboratory

研究室紹介

これまでに無かったモノ・アイデアを創り出す

非線形工学とは何でしょう?辞書で調べてみると「線形(一次)の項のみでなく,高次の項も含む数式。また,未知関数あるいはその微分の高次の項を含む微分方程式。さらに,そのような方程式で記述される現象」とあります。もう少し別の言い方をすると、非線形システムとは「重ね合わせの理」が成り立たないシステムのことを指します。例えばある入力をシステムに与えたときの出力がわかっているとします。このとき入力を2倍にすると出力も2倍になるようなシステムが「線形」なシステムであり、これが成り立たないものが「非線形」システムです。

では世の中のものものを見渡してみると殆どが「非線形」なものであることに気が付きます。非線形であるが故に天気予報をはじめ沢山の予測するものは外れることがあります。この非線形という性質を研究し、それを手懐けることができれば、これまで以上のことができるようになります。そこで工学分野で非線形に関係した現象・原理を研究し、様々なものに応用していくことが「非線形工学研究室」の目標です。非線形という非常に学際的な内容を研究しているので、工学を中心としていますが、そのフィールドは、理学、生物学、農学、経済学など多岐に渡ります。多くの分野を統合したような新たな形のモノを作り出していくことを一緒に目指しませんか?

主な研究紹介

システムを生物のように進化させる研究

身の回りのスマートフォンなどは演算速度が速くなったり、電源の使用時間が延びたりと、日々性能が向上しています。このような性能向上の一因は、これまでのシステムでの処理方法の見直しや電源の使用効率を向上させることで実現しています。そのような際に必要となる考え方が「最適化」と呼ばれるものです。「最適化」によって様々なものの性能が向上してきましたが近年のシステムは非常に複雑になり、「最適化」を行うことが非常に困難になってきました。そこで非常に複雑なシステムでもこれまで以上の最適化を行えるようにするために考え出された方法に「進化計算」という手法があります。「進化計算」とは生物が進化してきたように、最適な答えを目指して、答えを進化させていく方法です。この研究は他大学の研究室とも共同で研究を行っていますし、人工知能技術との融合も図っています。

植物生育の制御および不規則非線形振動に関する研究

近年、安全で安定した食品供給を目指し、植物工場に関する研究が盛んに行われています。動物・植物は太陽に合わせて24時間周期で変動をしており、体内時計とも言われます。このような周期のことを概日リズムといますが、この周期は太陽のリズムに同期して発生するものであり、完全な暗闇の中では動物や植物はこのリズムが崩れることが報告されています。そこで植物工場での照明の周期を変化させた際の影響を測定しています。また同時に植物に与える光の波長等も影響も想定しています。これらのデータを基に、植物工場での野菜の生育の効率を上げることがこの研究の目的です。また、動植物に非線形現象に基づいた不規則振動などの刺激を与えた際の効果・影響に関しても研究を行っています。

非線形画像処理の研究

画像処理ではこれまで線形変換を基にした研究が主に行われてきました。しかしながら画像というのはそもそもある値以上、もしくは以下は一定値になってしまうという非線形特性を有しています。非線形演算を用いるとこれまでには無かった処理を行うことができる可能性があります。そこで本研究室では人工知能などを用い、複数枚の静止画像から3Dの立体画像を生成するなどの非線形画像処理に関して研究を行っています。
また映像編集の世界ではコンピュータを使用した非直線的(ノンリニア)編集が中心になってきています。これも広義での非線形に属するものであり。これらに関しても研究を行っています。