マイクロ・ナノデバイス研究室

伴 雅人 教授

Laboratory

研究室紹介

研究活動を通して、こころもからだも健康・健全に

伴研究室では、マイクロ化学(流体)チップやμTASと呼ばれるマイクロ・ナノデバイスを用いて、医療技術や環境・エネルギ技術の革新的発展を目指した研究を行います。スマホやパソコンの心臓部となる半導体ICチップでは回路に電気が流れますが、マイクロ化学チップでは流路に液体が流れ、一連の化学操作をその数cmサイズの基板上で行うことが可能です。チップの作製には、プラズマやインクジェットプロセスを使い、また、グラフェンやDLC(ダイヤモンド状炭素)といったカーボンナノ材料のユニークな特性を巧みに利用したチップを創出します。特に、医療技術では、幹細胞を神経や骨などの特定の細胞に効率よく分化させるデバイス、環境・エネルギ技術では、マイクロプラズマによる高性能ナノ粒子合成デバイスの創製を目指します。このような研究活動を通して、自分の甘い部分に気付きを与え、こころもからだも健康・健全にして、社会に送り出します。

主な研究紹介

DLC成膜微細凹凸形状による細胞形態制御

伴研究室では、のび歪みを与えた軟らかい高分子材料基板に、プラズマ化学気相蒸着(CVD)法を用い、硬いDLC(ダイヤモンド状炭素)薄膜を成膜することにより、その表面に直線状のμmサイズの微細な凹凸構造を形成する技術を確立しました。また、この微細凹凸構造に、細胞がより接着しやすいことも見出しました。現在、基板上にこの微細凹凸構造を様々な形状やパターンで局所的に形成することにより、幹細胞の形態を制御し、増殖や分化をコントロールすることができるチップの研究を行っています。

細胞塊(スフェロイド)形成マイクロウエルのあるチップ

伴研究室では、インクジェット法により、100μmサイズのマイクロウエル(容器)を高分子基板の表面にアレイ状に形成する技術を確立しました。また、この基板を足場として細胞を培養することにより、約100μm径の細胞塊(スフェロイド)が形成できることを見出しています。3次元的に培養された細胞は、従来のシャーレなどの2次元培養とは異なり、より体内の環境に近いことから、このような細胞の3次元培養技術をチップに応用することで、再生医療、幹細胞の基礎研究、創薬研究などに活かす方法を現在検討しています。

活性酸素生成チャンバや細胞培養室のあるチップ

炭素からなるサッカーボール形状の分子であるフラーレンにグリーン光を照射することで、光増感作用として活性酸素が産生されます。伴研究室では、インクジェット法を用いフラーレンを針状結晶の集合体として形成させ、それをマイクロウエル中に集積させたチップを作製しています。これを活性酸素供給源としてチップに組み込むことにより、培養細胞の挙動制御、ナノ粒子の表面改質などに応用する研究を行っています。