神林靖|教員紹介|実工学教育の日本工業大学

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先進工学部 情報メディア工学科

准教授/神林靖 [計算理論]

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プロフィール

昭和33年2月生まれ  Ph.D
昭和55年3月 慶應義塾大学法学部政治学科卒業
昭和61年6月 ワシントン大学大学院計算機科学科修士課程修了
平成14年5月 トレド大学大学院電気工学計算機科学科博士課程修了
趣味:フルートとピアノ

研究者情報(外部サイトresearchmap)

研究室紹介もっと詳しく

専門

ソフトウェア科学

研究テーマ

メタヒューリスティックスアルゴリズム(Ant Colony Clustering,Particle Swarm  Optimizationなど)の効率化に関する研究、群知能を用いた最適化、カラー静止画像の高品質画像圧縮アルゴリズムに関する研究、数理工学手法による画像処理に関する研究

受賞履歴

プログラミング言語、プログラミング開発環境、そして計算論。
具体的には、移動エージェントを用いたソフトウェアの構築技法の研究、人間の直感に近いプログラミング言語、プログラミング環境の研究、そして計算困難な問題の近似解を求める研究。余技として、情報技術が社会に与える影響の研究と知的財産権法の研究。

社会的活動

Information Resources Management Association国際会議プログラム委員、International Association for Development of the Information Society WWW/Internet国際会議プログラム委員、Computational P2P Networks: Theory and Practice国際会議プログラム委員、Computational Intelligence in Economics and Finance国際会議プログラム委員、中小企業金融公庫成長新事業育成審査会審査員、情報処理技術者試験委員

メッセージ

専門分野の知識を高めることも大事ですが、なによりも教養人になってもらいたいと考えています。したがって、計算機科学以外の分野についても興味を広く持って学んでください。計算機科学も幅の広い分野ですから、学部生の間は、広く基礎的な分野をしっかり学んでもらいたいと考えています。なお、海外の大学院への進学を希望している学生については、個々に相談に応じます。

研究概要

 現在本研究室では、高度な分散環境におけるソフトウェア開発のパラダイムとして、移動ソフトウェア・エージェントを用いたシステムを提案し、理論的な研究とともに実装と実験による実現可能性の研究を行なっている。移動ソフトウェア・エージェントを用いることにより、比較的単純なアルゴリズムを持つ小型のソフトウェアが多数協調することにより、高度な作業、あるいは知能を実現できるものと考えている。個別のテーマは、次のとおり。
研究テーマ1:マルチエージェントを用いた群ロボットの制御に関する研究
種類が異なる多くのロボットを効率的に連携させ、多くのジョブを短時間で達成することが可能なロボット制御システムの確立を目指してきた。ある決められた範囲に散在し、複数のジョブを実行できる程度の長期に渡って動作するロボットを制御する方法として、階層型移動エージェントという枠組みを採用することにより、拡張可能な制御システムを構築することができた。移動エージェントは、ネットワークを介して自律的にホスト間を移動することができるプログラムユニットなので、各ロボットが無線ネットワークを利用できることを仮定すると、ロボットを制御するために移動エージェントを利用することができる。このような移動エージェントによる制御システムでは、ジョブとそのジョブ専用の制御プログラムを、ロボットの外部(他のロボットや、ホストコンピュータ)から得ることができるので、ロボット上に存在する固有の制御プログラムの変更を必要とせず、ジョブの分配方法もジョブごとに決定することができる。さらに、必要な機能ごと移動するという移動エージェントの性質は、ロボット間の通信量を低減し、複数ロボットの連携において、頑健性を高めることに貢献する。その結果として、現地の状況に応じて役割を動的に変更する枠組みを提案し実現可能なことも示した。
研究テーマ2:進化計算を用いた近似最適解に関する研究
進化計算を用いることによって複雑な問題を実現可能な計算時間内で解決する技法についても研究を進めてきた。これまでも、費用と信頼性という相反する要因から妥当なパレート解を求める方法、システムとしての信頼性を最大にする構成を求める方法、そして運転者にとって最も快適な運転経路を求める方法等の成果をあげてきた。この研究は共同研究であり、本研究室の分担は、アルゴリズムの複雑さの解析と計算量の理論的解析である。
研究テーマ3:分散ネットワーク中における資源探索に関する研究
P2Pネットワークと呼ばれるサーバ機能を分散させたネットワークがあり、そこではノードは任意に参加し離脱する。そのような動的環境において、いかに効率的に計算資源を探索するかが課題となっている。研究テーマ1で進めてきた、移動エージェントを用いることによって、ネットワーク中を流れるメッセージを最小に抑えつつ効率的に計算資源を発見できることを示した。
研究テーマ4:進化計算を用いた移動エージェントによるロボット制御に関する研究
研究テーマ1の継承研究。研究テーマ2の共同研究に触発されて、進化計算と移動エージェントを組み合わせたロボット制御の研究を開始したところである。有力な進化計算としてアントコロニー最適化手法というものがある。多数のエージェントに限定的な知能と限定的な知識を持たせることにより、全体として高度に知的な作業を行わせることが可能になると考えられている。これまで研究してきた階層型移動エージェントとアントコロニー最適化手法あるいは遺伝アルゴリズムを組み合わせることにより、知的なロボットが実現できるのではないかと考えてシミュレーションによる実装を開始している。シミュレータ上では有意な結果が得られている。

研究教育設備

○サーバコンピュータ(DELL PowerEdge 1400SC) デルコンピュータ(株)
○パーソナルコンピュータ(DELL Dimension 4500C) 日本ゲートウェイ(株)
○カラーレーザプリンタ(RICOH CX-8800) リコー(株)
○ノート型PC(SONY VAIO VGN-FG92) ソニー(株)
○二足歩行ロボット(KHR-1) 近藤科学(株)
○自動走行車(ER1) Evolution Robotics Inc.