日本工業大学 NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY

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教育力・研究力

研究オープンフォーラム

第5回研究オープンフォーラム
障害者支援に対する工学の可能性を探る
平成30年10月18日開催
障がい者支援技術の最新動向を知り、工学の特別支援教育への貢献と今後の展開を考える

情報メディア工学科およびロボティクス学科において共同で取組んでいる「障がい者支援技術」に関する研究に関して、その内容や成果が報告された。研究の手法は、本学の数名の研究者による共同研究であり、多くの学生も卒業研究課題として研究に参画している。リハビリテーション器具の開発、実験データ修得のための通信、プログラミングなどの支援を関係機関に対して行っている。
今回の研究オープンフォーラムは、共同研究先である、リハビリテーション機関、スポーツ用義肢の開発機関、および共同で取り組んでいる工業高校および特別支援学校における共同研究者をゲストに迎え、その取り組みが紹介された。また、来場者に対して、同共同研究への参加が呼びかけられた。

【講演概要】

◆講演1「特別支援教育を支援する取り組みの紹介」

先進工学部情報メディア工学科 粂野 文洋 教授,同ロボティクス学科 櫛橋 康博 准教授

本学情報工学科の学生が、越谷特別支援学校において教材開発支援に取り組む状況、および越谷総合技術高校において情報技術やプログラミング指導に取り組む状況が説明され、それらの両校への貢献や本学学生への学習効果が極めて大きいことなどが紹介された。

◆講演2「越谷西特別支援学校・越谷総合技術高校・日本工業大学の連携の取り組み」

埼玉県立越谷総合技術高等学校 情報技術科教諭 河村 瞳 氏

講演1におけるプログラミングに関する指導状況、高校生の教育に波及する効果や本学学生の成長に与える効果が絶大であることなど、教育現場の目線を通じて報告された。

◆講演3「義肢装具を用いた運動計測システムの開発(基調講演)」

国立障害者リハビリテーションセンター学院 義肢装具学科教官 徳井 亜加根 氏

義足や義手などのリハビリテーション器具の紹介、それらは一品一様の製品であり装着者との相性やそのためのチューニングが重要であること、また、実験に当たっては通信技術を用いてデータ収集することが重要であり、そのためには工学との連携がきわめて重要であることなどが、医療の現場等の実例を交えつつ解説された。

◆講演4「異分野融合による革新的な研究へ(基調講演)」

一般社団法人こみゅスポ研究所 所長、理学療法士 塩田 琴美 氏

医療福祉と工学との協働で開発されてきたパラサッカーなど、スポーツ用車椅子などの多くの開発、使用事例が動画を通じてリアルに紹介され、同協働研究や共同事業の必要性を、塩田氏が携わった多くの取組や実例の紹介と合わせて論じられた。

◆講演5「テクノロジーで今まで世界になかった『できた』を創造する(基調講演)」

埼玉県立越谷西特別支援学校 教諭 自立活動専任 高久 聖也 氏

講演1および2における取組の内容の詳細、この共同研究が、支援学校教育や生徒の成長に対する貢献が多大であること、および実施のエピソードなどが紹介された。

【研究オープンフォーラムを終えて】

一般的な医工連携は「医高工低」の関係になりがちだが、この医療福祉分野との連携は、相互理解の関係が作りやすく、良好な雰囲気で連携できる分野であると感じた。工業技術が、直接的に障がい者に役立つ点、リハビリ機器は、いわゆる規格品ではなくてクラフト的に一品一様で、こだわりのものづくりである点において、本学の教育研究の方向とも一致するようにも思えた。
また、本学のすべての技術分野(機械、ロボ、電気電子通信、情報、材料科学、住環境)が関与できる大きな研究テーマであるとも感じた。今後、大いに伸びていくことを期待し支援したい。

(教育研究推進室 神 雅彦)

講演3 徳井 亜加根 氏の講演風景

試作された各種の義肢の展示状況

会場の様子

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