日本工業大学 NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY

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教育力・研究力

教育改革シンポジウム

第61回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
本学におけるアクティブ・ラーニングの
あり方を探る(第1回)
令和元年12月19日開催
アクティブ・ラーニングと学生の変容を考える契機に
シンポジウムのあらまし

 12月19日(木)に開催した第61回教育改革シンポジウムは、本学におけるアクティブ・ラーニングの現状把握、および課題等の情報共有を目指した。趣旨等は下記のとおり。

1.本学におけるアクティブ・ラーニング型授業の現状
 (教育研究推進室長 神 雅彦)
 シラバスや授業参観/相互評価において、アクティブ・ラーニング形式の授業を確認できること、PROG試験時のアンケートにおいて、学生は沢山の演習ができる授業を望んでいることに言及。立正大学の資料をもとに、討議やグループワーク、発言やレポート等を課すことで教員との双方向コミュニケーションを図ることなど、能動的な探究活動や、知識の構築を学生に喚起させる仕掛けを紹介。

神 教育研究推進室長
2.アクティブ・ラーニングに関する研究
 -2018年度教育プログラム開発費による成果報告-
 (共通教育学群 松井 克典准教授)
 中教審答申等で、我が国の初等・中等教育におけるアクティブ・ラーニングの必要性が謳われたが、既に本学ではアクティブ・ラーニング型授業が実践されていることを報告。教える側は授業に対する学生の主体性を喚起させること、換言すれば学生をアクティブラーナーにする仕掛けを考えることが重要であり、有志の教職員で「教え方」を学ぶワーキング・グループをスタートさせた。

松井 克典准教授
3.高い専門力を育成する専門科目アクティブ・ラーニング
 -2019 年度教育プログラム開発費による実施報告-
(1)アクティブ・ラーニングのためのチームビルディングと効果
 (株式会社ラーニングバリュー 安達 雄一氏)
 本学におけるアクティブ・ラーニング型授業の構築にあたり、学生の自己変容、とくに自己、他者、大学をどう理解するかの変化に着目し、チームビルディングを「人間関係の場づくり」と位置付けた。学生同士のコミュニケーションを継続させるためには、授業内の仕掛けをより考えるべきことに加え、新たな教育プログラムを提示して学生の反応が芳しくなくても、プログラムを継続し、標準的な取組として浸透させていくことが重要。

安達 雄一氏による説明
(2) 講義科目への適用結果
 (応用化学科 佐野 健一教授)
 応用化学科の講義科目「生物学」において、知識の蓄積、課題解決、自ら学び考えていく姿勢を学生に会得させることを目指し、アクティブ・ラーニング型の授業を展開。自己点検・相互チェックシートを導入し、学生の振り返りの機会を設けるなど改善を進めているが、学生の「やらされ感」をどう払拭させ、答えのない問題にどう向き合わせるべきかを考えていく必要性を痛感。

佐野 健一教授
(3) 実験科目への適用結果
 (電気電子通信工学科 大田 健紘助教、進藤 卓也助教)
 実験科目のグループワークにおいて、アクティブに動く学生とフリーライドする学生がそれぞれ存在することが課題と認識し、チームビルディングを通じ実験グループの活性化を目指した。実験を重ねるごとに学生の動きは例年並みに戻る傾向が見られたため、実験グループをいかに継続して活性化させるか、学生の行動特性等を吟味しつつ、検討を重ねたい。

進藤 卓也助教(左)
大田 健紘助教(右)
(4) 演習科目「機械総合演習1,2」「技術とリーダーシップ」の新設
 (機械工学科 中野 道王教授)
 学生に機械工学の専門的な「知」と実践的な「技」を統合し高いレベルを乗り越えさせることや、他者との協働や良い失敗をさせることを目指し、リアルなものづくり体験を目指す科目として開設。学生は理論解析や作業管理など、生産の現場で不可欠な体験をしており、まずまずの滑り出しを果たした。今後はリーダーシップなどを学生にどう会得させていくかなど、検討すべき事項は存在する。

中野 道王教授
シンポジウムを終えて

 本学ではこれまでにアクティブ・ラーニングは実践されてはいたが、その全容を俯瞰し、当該授業を受講した学生の変容を観察するなど、全学での情報共有までには至らなかった。我が国の初等教育から高等教育に至るまで、アクティブ・ラーニングの重要性が広く認知されている現状を鑑みれば、今回の教育改革シンポジウムは、全学でアクティブ・ラーニングに向き合う、キックオフの機会となり得たのではないか。

 また、他大学においてアクティブ・ラーニングをテーマにしたFD/SDは、学生の変容の継続的な観察や、アクティブ・ラーニング型授業の定着に時間を要するなどの事情から、複数年、複数回にわたり実施される例が多い。教育研究推進室では、他大学の先駆的かつ効果が確認されたアクティブ・ラーニングの情報を収集し、今後の教育改革シンポジウムにおける情報提供を目指したい。

 アクティブ・ラーニングには様々な形態が存在するが、我々は単なる「教え方」の改善のためではなく、本学学生を、生涯学び続け、行動し、考え、他者との協働を果たせる社会人へ育成するために、アクティブ・ラーニングを実践すべきことを忘れてはならない。言うまでもなく、学生の気質や行動特性などをよく知るのは、授業の最前線に立つ教員であり、学生サポートの現場に立つ事務職員である。今後も授業改善は勿論のこと、本学学生の特性や変容を情報共有し、全学で学生の人間形成を考える場として教育改革シンポジウムを展開したい。

 今回の教育改革シンポジウムには、本学と交流を持つ埼玉県立大学、東京電機大学、獨協大学、文教大学の教職員の皆様にご出席をいただき、意見交換会の場でアクティブ・ラーニングに関する様々な知見等をご教示いただいた。この場を借りて御礼を申し上げたい。


第61回教育改革シンポジウムの模様

(教育研究推進室 川島 信也)

教育改革にゴールはありません。
本学は、今後もPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)を回し、「実工学教育」をさらに進化させていきます。

作成:教育研究推進室

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