SDGs関連研究
2024/06/13
東京都あきる野市・I家住宅の保存・活用に向けての調査
歴史的建造物は、地域再生の核となっており、観光資源でもある。東京都あきる野市養沢にあるI家住宅は、江戸時代から林業を生業とした家柄である。現在も主屋、離れ座敷、土蔵などの建物が遺されている。しかし、自治体などによる調査は進んでおらず、今後の保存・活用が課題である。
本研究は、I家住宅の歴史的建造物群を調査し、建築的特徴および建築年代を明らかにすることを目的とした。調査の結果、主屋は、養沢地区の近世民家の特徴を示している可能性がある。また、I家住宅は林業によって繁栄し、それと共に明治・大正・昭和時代に建物が建てられ、各時代の建築的特徴を示している。例えば、離れ座敷(明治期)は、銘木を使った表現豊かな設えをみることができ、まさに近代和風建築といえる。金庫蔵(大正期)は、土蔵造を基本としているが、細部にはデンティル(歯形装飾)やメダリオン(円形装飾)などの西洋建築の意匠を取り入れている。さらに、林業に関わる道具などを保管する道具小屋(年代不明)は、市民グループの活動拠点でもあり、現在でも山林の維持管理に務めている。
このように、I家住宅は林業による繁栄を象徴する貴重な歴史的建造物が遺されている。
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主屋 -
離れ座敷 -
金庫蔵 -
持田穂乃佳さん 発表の様子
◆研究期間
2023年5月1日~2024年3月31日
◆担当教員
建築学科 野口憲治 助教
◆学生
持田穂乃佳、加藤珠理、藤谷泰瑶(建築学科4年 野口憲治研究室)
山田伊吹(建築学科3年)
尾高颯大、金野里央(建築学科1年)