日本工業大学

SDGs関連研究

2022/01/12

昼光利用でライフスタイルの見直しを

img04-02-1.jpg 日常生活で、こんなことはありませんか。部屋に入るとき、つい照明をつけてしまう。昼間、自然光で室内が明るくても。
 近年、温室効果ガス削減を目的としLEDがすごい勢いで普及しています。LEDが普及したことによりその特徴から今までにない建築光環境が創造できるようになってきました。照明のあり方自体も大きく変化しています。かつて明るい部屋が豊かさの象徴とされていた時代もありましたが、見直す時期が訪れているようです。
 私たちは、建築の光環境について、昼光利用による照明エネルギーの削減と建築光環境の評価を主な研究テーマとしています。その中で考案された一つに、企業と共同開発したライトシェルフ型ブラインドがあります。
 天井に近い上部とその下との2段構成になっていて、上部は部屋側に傾けられる構造で、自然光を天井に反射させて部屋の奥まで光を入れることができます。下部のブラインドは外の人の目線が気になるなどで閉じたとしても、部屋の明るさは確保できます。その結果、人工照明を点灯せずに済むのです。
 今までなかった手法で、私たちの研究室にも設置したところ、学生たちは、部屋に入る時に、つい照明をつけるという習慣がなくなりました。
 GOAL 7が謳う持続可能なエネルギーの利用は、消費エネルギーを減らす住環境と電力の無駄遣いをしないライフスタイルへと行動変容することなしには実現は遠いでしょう。自然光を再評価するきっかけとして、より多くの建築物に導入できればと思います。

建築学部 生活環境デザインコース
伊藤大輔准教授

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