日本工業大学

SDGs関連研究

2022/01/12

ロボット技術で日本の林業をサポート

img04-08-1.jpg 森林は、水資源の供給をはじめ、私たちが気づいていないけれど、とても豊かな恵みをもたらしてくれています。日本は森林によるメリットが金額にして数十兆円に上ると言われます。40%は人工林です。まっすぐ育つよう密に植えた後、光をとるために間引きをするなどの管理をしなければ荒廃するばかりです。ゲリラ豪雨にも打たれ弱くなります。現在、日本の林業は担い手不足など厳しい状況にあり、GOAL 15の「持続可能な森林の経営」は喫緊の課題です。
 私たちの研究室では、森林作業支援ロボットの開発を進めています。日本の山は急で柔らかく機械を入れにくいので、ポータブルな木登りロボットを学生たちと試作中です。また、既存の林業機械をベースにした安価なロボットづくりの研究も行っています。学生は学会で賞をとって希望した会社に就職するなど、大いに活躍しています。
 作業に加え情報を支援する技術として、木を伐り、山から下ろし、トラックに積み込むまでの作業全体をつなぎながら、作業者の安全を見守る森林内ユビキタスネットワークの開発も進めています。危険な作業はロボットにまかせ、安全かつ効率よく、さらに若手の育成ができるよう離れた場所からも指示ができるシステムを目指しています。森は電波が届きにくく、チャレンジが続いています。
 ロボット技術の導入により若い人たちが林業を魅力に感じ参加しやすくなることは大きなねらいで、GOAL 8の掲げる働きがいのある雇用の促進につながると考えています。

先進工学部 ロボティクス学科
櫛橋康博准教授

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