日本工業大学

SDGs関連研究

2022/07/01

紙からキノコが発生⁉ ~再利用のシュレッター紙を培地としたシイタケの新しい栽培手法の実現~

 シイタケの栽培には原木やおが粉をブロック状に固めて植菌した菌床が用いられています。しかし、木材不足や廃菌床の処理などは環境問題となっています。そこで、これらに代わる新しい材料の選定と栽培手法に取り組みました。
 シイタケは腐朽菌であり、木材に含まれるセルロース(食物繊維)を分解し、栄養源として成長しています。そこで、紙にシイタケの菌を植え、シイタケが発生するか実験を行いました。紙を用いた理由は、シイタケの栄養源となるセルロースを含むため、この栽培方法を考案しました。
 実験方法は、和紙と印刷済みのコピー用紙をシュレッターによって裁断し、水を含めて固めることで菌床培地を作成しました。
 実験結果の結論から言うと図に示すように、紙培地からでもシイタケが発生することを確認できました。ただし、コピー用紙に対して、和紙からのシイタケの発生が多くみられる結果となりました。この理由として、空気が多く含まれる和紙の方がシイタケの菌糸の成長に適していることや、コピー用紙含まれるインクのにじみ防止剤などの化学薬品が影響していることが考えられます。

01コピー用紙文字.jpg 02和紙文字.jpg
 

基幹工学部 電気電子通信工学科
平栗健史 教授

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