日本工業大学

SDGs関連研究

2023/07/18

自立型静電水噴霧を用いた環境改善法の実験的検討

ヒートアイランド現象による気温上昇が以前から問題となっています。その暑さ対策として、昔ながらの打ち水や散水器によるミストカーテンなどが利用されています。本研究では、散水器による自動噴霧による暑さ改善を考え、その装置の実験的検討を行いました。

図1はこのシステム概要を示します。一見するとシステム構成は特段新しくはないですが、太陽光パネル(写真1)には性能が劣化し使用されていないものを再利用し駆動電源にしています。給水は雨水を使用しています。システム消耗資源として外部からの供給無しの自立型システムとなっています。そのため場所を選ばず安価な自然エネルギーを用いた持続可能な散水システムが構築できます。これに加え特徴的な点は散水に際し水ミストに高電圧を印加し水噴霧を帯電させます(写真2)。これにより帯電水による効果的な冷却効果や空気除菌効果が期待できると考えました。今回の報告では、太陽パネルの発電状況(図2)および帯電水の生成について(図3)の結果を得ました。

太陽パネルの性能は劣化しているかもしれないが鉛バッテリーを充電するには問題なく、散水ノズルの水流に高電圧を印加すると帯電水が生成することが確認できました。このシステムの構築の見通しはつきましたが、帯電水の効果についての評価は今後の課題です。

図1 システム概要.jpg
▲図1:システム概要

  • 図2太陽光パネルによる発電.jpg

    ▲図2:太陽光パネルによる発電

  • 図3水滴の帯電特性.jpg

    ▲図3水滴の帯電特性​​​​​​​


共通教育学群 服部邦彦 教授

◆学生◆
鈴木一優(電気電子通信工学科4年)
影山雄祐(ロボティクス学科2年)

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