日本工業大学

SDGs関連研究

2023/07/18

新しい材料を培地としたシイタケの栽培手法(継続)

次の実験方法で検証を行いました。
実験(1):栄養源のセルロース自体を紙に添加して発生の状況を定量的な評価方法で確認
実験(2):これまでの実験データからセルロースと紙の配合率や栽培条件を変えることで、発生率の増加を検証
実験(3):培地の土台となる素材をスポンジなど用いて、直接セルロースの粉末を染み込ませることで紙自体を排除した全く新しい栽培方法に挑戦

本研究は、これまで使われてこなかった栄養源の原料を用いることや、新しい栽培手法の提案は、食料の安定確保とともに持続的な農林業の推進につながります。すなわち、SDGsにおける位置付は、天候や気象現象に左右されずに安定的に生産が可能で、資源の有効活用/再利用が期待され、廃棄物の削減の効果を目指すものです。

本研究の結果により紙を原料とした培地からは確実にシイタケが発生することが確認でき、スポンジを材料とした培地からもシイタケが発生することが確認できました。これらの結果は新たな発見であり、オガ粉を原料とした従来の栽培方法を一変する画期的な栽培手法となる可能性があると考えられます。しかし、現時点での研究成果としては、当初の目的であった細断済みのコピー用紙を原料とした培地からのシイタケの発生量は、まだ十分に達成されておらず、今後は和紙だけでなくコピー用紙においても子実体の発生量を増加させる方法について改善・改良し、 実用化可能なレベルまでの栽培方法の確立を目指します。また、スポンジを材料とした培地においても、シイタケの発生の安定化、スポンジの再利用が可能なのかなど試すべきことは数多くあるため、こちらの方法においても改善・改良し、実用化可能なレベルまでの栽培方法の確立を目指します。

電気電子通信工学科 平栗健史 教授
教員:清水博幸 准教授

◆学生◆
奈良洋太(2023年3月卒業)
松葉拓哉(電気電子通信工学科4年)

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