日本工業大学

SDGs関連研究

2023/07/18

施設内や市街地における移動の安全を実現する画像処理技術の開発

【一人称視点映像を用いた見守り支援】
視覚障がいを持つ方や認知症などの疾患を持つ方が施設内や市街地において活動する際には様々な危険を伴います。本研究では、身体に装着したカメラ映像、いわゆる一人称視点映像の認識を行うことで、こういった方々の見守りを実現することを目的とします。特に本年度は、認知症などの疾患がある高齢者(以下、被介護者)の見守り支援をモデルケースとした研究開発を実施しました。

図1の例のように、被介護者の身体の一部に小型カメラを装着し、その画像を定期的に送信します。送信された画像と、過去に録画された様々なシーンの画像とを照合することで、被介護者が今どこにいて何をしようとしているのかを推定します。これにより、例えば、階段を昇ろうとしている、コンロで火を使おうとしている、大通りを横断しようとしている等の状況を検知し、家族や介護担当者に通知することが可能となります。

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▲図1:一人称視点映像による見守り支援のイメージ


これを実現するため、①ランドマーク検出技術(画像において目印となるような物体を見つける)、②ランドマーク照合技術を実装した。ランドマーク検出はU2NET、照合はYOLOと呼ばれる深層学習技術をそれぞれ適用しました。屋内および屋外で撮影した映像を用いた実験により、良好な結果を得ることができました(図2,3)。

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    ▲図2::ランドマーク認識結果(→階段を昇ろうとしている)

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    ▲図3:ランドマーク認識結果(→自宅から西向きに移動中)


先進工学部 情報メディア工学科 新井啓之 教授

◆学生◆
情報メディア工学科 中脇拓己(2023年3月卒業)

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