日本工業大学

SDGs関連研究

2024/06/13

人工光と水耕栽培を用いた根菜栽培~水槽内でサツマイモの栽培!?~

かんしょ(サツマイモ)の水耕栽培技術を確立すること目標に、土を使用せずに溶液のみで水槽内で栽培を試みた。実験方法は以下のとおりである。

①溶液に茎を入れて根の成長を確認(通常の水耕栽培方法)
②土の代わりにビーズと溶液で栽培
③根の先端をクリップで止め、給水量を制限

本実験の結果より、根の太さや色などの変化は確認できたが、完全なかんしょを形成することは出来なかった。その理由として、様々な文献などの調査をした結果、根に対する十分な土の代わりの圧力が必要であることと、適量の潅水制御が必要である手がかりを得た。実際に、実験でも根を溶液に浸すのではなく、クリップで水の吸収速度に制限を加えたり、土の代わりにビーズなどで圧力を疑似的に作ったりすることで、かんしょ形成につながる変化が確認できている。

本研究の土を使わない、水耕栽培によるかんしょの形成は、過去にも定量的に得られた十分な研究成果がなく、我々も全くの初の試みであったため、非常に困難で、満足のいく結果が得られなかった。しかし、今後の足掛かりとしてのデータが蓄積できたことや、根の形状が変化する要因なども絞れてきたため、将来的には植物工場などの土や太陽光を用いない、栽培環境においても期待が持てると考える。

◆研究期間
2023年4月1日~2024年3月31日​​​​​​​
◆担当教員
電気電子通信工学科 平栗健史 教授
◆教員
電気電子通信工学科 清水博幸​​​​​​​ 准教授​​​​​​​
◆学生
遠藤啓太(電子情報メディア工学専攻博士前期課程2年)

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