SDGs関連研究
2025/06/13
地域資源を活用したセルフビルドによる古民家の断熱改修の検討
まず初めに、材料の選定のため、改修場所で入手可能なおが屑、籾殻、籾殻燻炭、竹チップについて、含水比毎の熱伝導率を測定した。結果として、おが屑が一番熱伝導率が小さく、水分による影響も小さいことから、改修に用いる断熱材はおが屑を使用することとした。次に、現場施工による断熱改修方法を検討した。断熱材は、不織布を袋状に加工し、おが屑を詰めて制作した(図1)。これは、壁に取り付けることを想定し、重力によって充填材が下にたまってしまうことを防ぐためである。天井は、断熱材を竿縁の間に取り付け、木ずり材を張った(図2)。床は、現状の床上に新しく根太を張り、断熱材を撒いて均一にした後にフローリング材を張った(図3)。改修前の障子は片面貼りであったが、室内の断熱効果向上を目指すため太鼓貼りとし、障子紙とワーロン紙を用いて改修を行った(図4)。4年生と3年生のチームで、すべてセルフビルドで製作した(図5)。これにより、床・天井・建具の熱貫流率は、改修前に比べて、それぞれ1/2,1/3,1/2となり、寝室の部分断熱改修の効果が確認できた。
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図1.断熱材 -
図2. 天 -
図3. 床の断熱 -
図4. 障子の太鼓貼り
図5. 完成時の様子
◆研究期間
2024年6月1日~2025年2月28日
◆担当教員
建築学科 樋口佳樹 教授
◆学生
塩寺隼大, 天田百香(建築学科4年)
樋口研究室4年(9名)
押部航介、山本留維(建築学科3年)