日本工業大学

SDGs関連研究

2023/07/18

Green版築(高炉スラグ微粉末を用いた版築の調合計画および植栽に関する検討)

版築は古来より用いられており、地場で採取された土や砂に石灰やにがりを添加し硬化体をされていました。現代では構造強度を求めるため、普通ポルトランドセメントを配合しますが、解体時のその多くは産業廃棄物として処理され、再利用されないケースも多くあります。そのため、再生可能な版築を構築するため普通ポルトランドセメントに代わる材料の選定が必要となります。
代替材料として高炉スラグ微粉末の利用が考えられます。産業副産物である高炉スラグ微粉末は潜在水硬性を有し、含まれるミネラル分によって海洋環境の改善も報告されており、環境負荷が小さく版築に適した材料です。
そこで本研究は、高炉スラグ微粉末を用いた版築は、工学的体系化がなされていないため調合割合を検討し、力学特性を確認しました。さらに環境親和性を確認するため、試験体に種を施し生育過程を観察しました。
その結果として、圧縮強度試験は結合材のペースト量に対して土と砂の割合が多く、その中でも砂が多い調合が強度を得られやすい傾向となりました。
また、アルカリ性適応土壌を比較的好む植物において発芽し、高炉スラグ微粉末の割合によって発芽率が異なるため、高炉スラグに含まれるマグネシウムやケイ素等の成分が植物の良好な生育に有効であることが示されました。

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建築学科 田中章夫 助教

◆学生◆
友利大地(2022年度卒業)
瀧澤清佳(建築学科4年)
白井琉南(建築学科4年)
鈴木実穂子(建築学科4年)
松本優輝(建築学科4年)
輿石悠介
有田剛士

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