日本工業大学

SDGs関連研究

2025/06/13

VRを活用した動物介在活動のためのシステム開発と評価に関する研究

はじめに:
職場でのストレスは、社会的な課題であり、多くの対策が報告されている。その1つとして、職場環境における動物の介在効果が報告されているが、職場で動物を扱うことには課題がある。本研究では、VR空間での仮想動物の介在に着目し、システムの開発と介在方法の違いによる職場ストレスへの緩和効果を評価した。今回は、動物をゴールデンレトリバーに設定した。

動物介在システムの開発:
本システムは、VR空間において犬を介在させ、ヒトが犬を観覧、あるいは犬とコミュニケーションをとることを目的とする。犬とのコミュニケーションでは、受動的、能動的の2種類が設定され、観覧を含め、3種類の介在を可能とした。

実験方法:
実験参加者は、20代の男性10名を対象とした。測定項目は、生理指標として唾液アミラーゼ、心理指標としてPOMS2、作業パフォーマンスとして四則演算の課題を用いた。実験条件は、開発した3種類の介在方法とし、被験者内計画で実施された。

結果:
唾液アミラーゼは、「受動的」のVR体験後に上昇した(α=0。1)。また、POMS2での総合的なネガティブ指標は、「受動的」と「能動的」のVR体験後に減少した(α=0。05)。

高津先生:動物介在システムでの視聴イメージ.jpg
動物介在システムでの視聴イメージ

◆研究期間
2024年4月1日~2025年3月31日
◆担当教員
情報メディア工学科 高津洋貴 准教授
◆学生
初田 凌、金田 直也(情報メディア工学科4年)

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