日本工業大学

SDGs関連研究

2025/06/13

複合材料を用いた軽量・高強度構造物の設計・製作技術の検討

3DCAD/CAEを用いて複合材料を用いた軽量構造物の設計手法を検討し、供試体の製作・強度試験を通じて、設計手法の検証を行った。
構造の形態として薄板構造と骨組み構造の2種類を検討し、それぞれの特性を活かした仕様を定め、設計を行った。3DCADを用いて図1に示す構造物の詳細形状をモデリングした。その後、CAEを活用して構造解析を行い、薄板構造物の最適な積層構成や、骨組み構造物の接合部の検討などを行った。骨組み構造と薄板構造の解析結果の例をそれぞれ図2, 3に示す。最終設計案について、従来の金属材料で設計した場合と複合材料で設計した場合を比較し、軽量化の評価を行った。
設計した構造物を供試体として実際に製作した。薄板構造物の製作には炭素繊維強化一方向プリプレグおよび織物プリプレグを用い、骨組み構造物の製作には複合材製パイプを使用した。本補助金により導入した3Dプリンターを活用して、曲面を有する薄板積層物製作に用いる成形型および骨組み構造物のパイプの接合部品の製作などを行った。製作した供試体と使用した3Dプリンターをそれぞれ図4, 5に示す。
最終的に、供試体の強度試験を行い、図6 に示す荷重―曲線を得た。この結果から、設計した構造物が仕様を満たすことを検証することができた。

図1 3DCADによりモデル化した供試体

図2 CAEによる骨組み構造供試体の解析結果(フォンミーゼス応力)

図3 CAEによる薄板構造供試体の解析結果(安全率)

図4 製作した供試体

近藤先生:図5 本研究で用いた光造形式3Dプリンター (Form3B, FormLab社).jpg
図5 本研究で用いた光造形式3Dプリンター (Form3B, FormLab社)

図6 供試体の強度試験結果

◆研究期間
2024年4月1日~2025年3月31日
◆担当教員
機械工学科 近藤篤史 准教授
◆学生
伊丹彰吾、岡部修羽、小林駿平、三水航、土屋舞子
(機械工学科4年)

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