日本工業大学 NIPPON INSTITUTE OF TECHNOLOGY

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革新的無線通信技術に関する横断型研究会MIKA2019において電気電子通信工学科平栗教授が最優秀ポスター賞シニア部門、電気電子工学科4年の飯田さんと林さんがポスター賞若手部門を受賞

 10月4日に行われた電子情報通信学会通信ソサイエティ主催の革新的無線通信技術に関する横断型研究会MIKA2019で、本学電気電子通信工学科平栗健史教授が最優秀ポスター賞シニア部門、電気電子工学科4年の飯田浩史さんと林泰成さん(平栗研究室)がポスター賞若手部門をそれぞれ受賞しました。

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平栗教授の論文名:「ドローンメッシュネットワークのための3次元シミュレーターの開発」

 本研究では、無線伝搬から信号処理、ネットワーク、アプリケーションに至るまでの全ての技術を融合し、疑似的な無線システムを評価できるシミュレーションツールを開発しました。この開発ツールは3次元空間での通信評価も可能なため、ドローンのような空中での新しいネットワークの評価や、建物や屋内などの反射物が存在する環境でも実際に通信を行った場合と遜色ない評価・検証を可能とするこれまでに無いシミュレータを開発した点が高く評価されました。

 これまでの無線通信のシステムは、無線局を設置した実地試験によって開発されてきました。しかし、この評価ツールを用いることにより、伝搬環境を含めたネットワークやアプリケーションが実地試験を行わずに評価することが可能となりました。このため、新たな通信方法が考案された場合にも容易に開発できるようになると期待されています。
 
 本研究の一部は、科学研究費礎基盤(B)17H01738および、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE,185004002)の助成金を受けて行われました。

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飯田さんの論文名:「実環境の背景トラフィックを想定した無線LANにおけるQoEに基づくSVCを用いたマルチキャスト伝送速度制御」

 無線通信で映像ストリーミングを提供する場合、距離が遠くなると通信速度が遅くなり、大容量で高解像度の映像を送ることができなくなります。そこで、本研究では、伝送距離に応じて最適な映像のデータ量を受信できる技術を考案しました。また、映像の品質は、それを利用するユーザが体感する品質に基づいたQoE(Quality of Experience)と呼ばれる指標に基づき制御することで実現できました。本研究では、さらに実際に利用する環境で通信の混雑が発生した場合を想定し、通信の大幅な揺らぎなどにも対応する機能を追加した点が高く評価されました。

 現在、YouTubeなど動画の視聴をタブレットなどで利用するユーザが増えています。こういった利用者に対し、負担のかかる4Gなどの携帯電話通信だけでなく、通信エリアの狭い無料のWiFiを用いても無線の通信環境に応じた映像配信を安定的に提供することが可能となると考えています。
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林さんの論文名:「ドローンネットワークにおける協調伝送方式の誤り率変化に対する評価」

 本研究内容は、ドローンを用いた中継伝送において、伝送誤りが生じたときに周囲のドローンが協力して再送(協調伝送)を行うことで、高い通信速度を維持することができる通信方式を提案し、その効果が高く評価されました。また、協調伝送を行うドローンの上限台数と最適な伝搬環境の条件を示しました。

 今後、ドローンを中継局とした空中につくられるネットワークは、将来の革新的な通信技術として利用され、新たなサービスの創出につながると考えています。さらに、飛行するドローンは地上の通信と違って、揺らぎや地上からの干渉によって安定した通信が難しくなることが予想されます。こういった問題が生じた際にも、本研究成果は信頼性の高い通信を提供することが期待されます。
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受賞後のコメント

 平栗教授は、「MIKA2019では、通常は若手研究者対象で行われるポスターセッションだけでなく、シニア部門として熟練の研究者を対象にしたポスターセッションを開催しています。参加者は大学教授から企業の役職の方に至るまで参戦し、真の日本一を銘打って自身の研究成果を発表します。このような中で受賞できたことは大変光栄であり、今後、更にステップアップした研究へチャレンジするためのモチベーションとなりました。」、飯田さんと林さんは、「指導教員の平栗先生を始め、的確なご指導をして下さった共著者の方々に大変感謝しております。今後もより一層研究に力を入れ、より良い卒業論文を仕上げたいと思います。」とコメントしています。

 

      左から本学電気電子工学科4年飯田さん、共同研究者の新潟大学西森教授、

         本学電気電子通信工学科平栗教授、電気電子工学科4年林さん

 

■電子情報通信学会 研究会発表申込システム 研究会 開催プログラム
https://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgs_regid=b0373f898f445ed6501c24c8c8711591095c72b12052e4f79659586227088076&tgid=IEICE-MIKA

■MIKA2019受賞者
http://mika-wc.org/award/mika2019prize/

■教員紹介ページ(電気電子通信工学科・平栗健史教授)
https://www.nit.ac.jp/gakka/subject/kyoin6/ec_hiraguri.html

■研究室紹介(無線伝送メディア研究室・平栗健史教授)
https://www.nit.ac.jp/lab/denki/lab2-5.html

  • 2019/10/09
  • 広報室