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環境共生システム学専攻の渡邊知穂さんが日本鉄鋼協会主催の学生ポスターセッションで奨励賞を受賞

環境共生システム学専攻博士前期課程2年(内田研究室所属)の渡邊知穂さんが10月13日、日本鉄鋼協会主催の第180回秋季講演大会学生ポスターセッションにおいて奨励賞を受賞しました。受賞論文名は「高温多相平衡リン酸含有スラグ中のP (リン) バランス」。

 

日本は、肥料や化学産業に必要なリン原料の全量を輸入に依存しており、国内調達の可能なリン資源が求められています。リンを含み国内での発生量が多い鉄鋼スラグ(※1)と下水スラッジ(※2)はリン酸濃度が高く、未利用リン源として有望です。
本研究では鉄鋼スラグと下水スラッジを混合して同時にリン回収することを想起。両者の混合模擬試料を高温(1300℃)に加熱し、リンの存在分布を電子顕微鏡で調査しました。その結果、リンが高濃度に濃縮された部分が存在することを見出し、リンの分離回収に適した条件を得ました。

リンは生命維持に必須の元素です。本研究の知見に基づいて国内に産出する前記の副産物から工業的に高濃度リン酸化合物を分離してリン源として抽出できるようになれば、我が国のリン資源問題の解決に大きく貢献することが期待されます。
受賞に際し渡邊さんは「今回の受賞で、国内におけるリン資源に関する研究の認知度向上の手助けになればと思います」とコメントしています。

日本鉄鋼協会は1915年に設立された由緒ある学会で、講演大会の回数も180回を数えます。今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため講演大会がウェブ開催となり、ポスターセッションもウェブ審査の形で実施され、特別賞などは設けられず奨励賞のみが授与対象となりました。

※1:製鉄の工程において発生する副産物
※2:下水処理場や各種工場などで発生する汚泥

  • 2020/11/18
  • 企画広報室