理論言語学・認知言語学・言語習得

市川 泰弘 准教授

Laboratory

研究室紹介

人間の認知は近年大きな研究テーマとなっています。人文科学の分野からのアプローチばかりでなく、大脳生理学の立場からのアプローチなど様々です。市川研究室では生成文法・言語理論・人間の言語発達を中心に研究を進めています。最近は語彙の意味拡張が言語習得とどのように関わっているのか、またその理論的な部分が外国語学習に利用できるのかも研究の一つとしています。またコミュニケーション手段としての言語に着目し、英語だけではなく様々な言語での表現がどのような語用論的・意味論的概念を伝えているのか、どのようにしたらコミュニケーションがうまくいくようになるのかを研究しています。

略歴

1985年 3月 東京学芸大学大学院教育学研究科英語教育専攻英語学講座集力
2014年 3月 金沢大学大学院後期博士課程人間社会環境研究科人間社会環境学専攻単位取得後退学
教育学修士、 博士(社会環境学)

所属学会

日本英語学会、日本英文学会、大学英語教育学会、近代英語協会、金沢大学英文学会(運営委委員)

主な研究紹介

動的文法理論(拡張理論)

人間の言語能力は遺伝的に内在化されていると考えられています。Chomsky(1957, 1965)はこれをUniversal Grammarと呼び、生成文法理論を提案しました。この理論では人間は生まれた時から大人と同じUniversal Grammarを内在していると主張しています。動的文法理論(拡張理論)は梶田(1977, 1997)が提案した理論で、人間のUniversal Grammarは言語習得過程においてある原理に基づき拡張し、最終的に大人の文法(Universal Grammar)となるというものです。従って人間の脳には初期状態のUniversal Grammarと拡張の原理が内在されていて、この研究ではこれらがどのようなものであるかを理論的に追求していくことが中心となります。

認知言語学的観点を加えた言語理論研究

現在、Langacker (1990, 2000)が提案している認知構造を利用しながらどのように英語の語彙の拡張されていくのか、またその拡張が通時言語学におけるデータとどのように関連し、また言語習得に於ける語彙の拡張とどのように関連しているのかを動的文法理論の考え方に基づき研究をすすめています。

情報伝達手段としての言語、メタ言語の研究

情報工学科の卒業研究のテーマとして学生と共にこの分野の研究を進めています。以下は今まで学生が行ってきた研究の一部です。

  • 漫画における擬態語の研究
  • 拒否と受諾の表現について(世代における表現の違いとそれぞれが伝達する情報について)
  • コマーシャルに於ける情報伝達

科研費基盤C(2010年度〜1012年度)「GET:語彙の意味概念について 認知的アプローチと概念拡張」

科研費基盤C(2017年度〜2019年度)「再帰代名詞を含むGET構文からの拡張:主語名詞の「働きかけ」の希薄化の観点から」