本学のSDGsの方針

 近年、世界各地で頻発する大規模自然災害に、地球温暖化による気候変動の影響が指摘され、あらためて地球規模での持続可能性に対する国際的関心が高まっています。工業生産力が社会進歩の最も重要な指標とされる時代を経て、今日、より強く人間中心の社会が求められています。急速に進歩を遂げた情報通信技術の利用においても、人々はコロナ禍にあって、リモートとリアル対面のベストミックスな働き方などの新たな生活様式を探っています。その生活様式は、AIなどに支えられる新時代のものになりつつも、人間らしい、本来、人に寄り添うものであるべきです。

学長メッセージ

日本工業大学におけるSDGs

 日本工業大学は、建学の精神である「実工学の理念にもとづく工学教育と先進的研究により、新たな価値創造と科学技術の発展に寄与する」のもと、工学の理論と実践とを学び、仲間とともに技術を通して夢をカタチにするよろこびを繋いできました。

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学長メッセージ

日本工業大学におけるSDGs

 日本工業大学は、建学の精神である「実工学の理念にもとづく工学教育と先進的研究により、新たな価値創造と科学技術の発展に寄与する」のもと、工学の理論と実践とを学び、仲間とともに技術を通して夢をカタチにするよろこびを繋いできました。
 そして、このキャンパスに学ぶ若者たちには、今日の複雑化した社会課題に立ち向かう次世代の技術者として、人に寄り添い、共感力を高め、専門力を社会に活かすことを身につけて欲しいと考えています。
 この実現こそが、本学が目指す「SDGsのターゲットを達成するための人材教育」です。
 これを支えるビジョンとして、従来の枠にとらわれない「モノづくりの新しい方向性」を掲げています。その具現化の一つとして本年、専門力を社会に活かす接点となる「人と暮らしの支援工学センター」を新設しました。例えば、まちに出かけ、人とのコミュニケーション、買い物、仕事を行う上で障害があるなどの多様な人々の困難に、工学的アプローチで支援する場を提供していきます。
 日本工業大学は、これまでに積み重ねてきたSDGsに繋がる本学の取り組みをさらに発展させ、SDGsが目指す、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に向けた活動を進めていきます。

日本工業大学
学長 成田健一

SDGs関連活動

「ペットボトルからマイボトルへ」
未来世代のためへの行動

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「ペットボトルからマイボトルへ」
未来世代のためへの行動

 本学では、近年の異常な熱波による夏季の熱中症予防対策として埼玉キャンパス内にウォータスタンドを設置しました。このウォータースタンドは3種類の高性能フィルターにより、水道水から安心安全な美味しい浄水を供給するもので、SDGs3(すべての人に健康と福祉を)の達成に貢献します。
また、プラスチックの製造・処理時に排出される二酸化炭素(CO2)も一因の地球温暖化による異常気象問題や、海洋プラスチック汚染問題が深刻化している背景もあり、本学ではペットボトルの使い捨てからマイボトルを携帯する生活スタイルに変えていくことを推奨することで、社会課題解決に取り組んでいます。

[参考]ペットボトルの使用を止めて、マイボトルを利用した場合、二酸化炭素(CO2)の排出量を約88%削減することができる。

ウォータースタンド

ウォータースタンドポスター

ウォータースタンド設置場所

SDGs関連活動

傘の循環利用を目指す
レンタルシステム

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傘の循環利用を目指す
レンタルシステム

 SDGs12(つくる責任つかう責任)の目標達成に向けた活動「リユース傘プロジェクト」は、本学の機械工学科3年の林大翔さんが考案したもので、落とし物傘や研究室で眠っている遊休傘を活用し、無料でリユース傘をレンタルできるシステムで、昨年の12月から運用しています。
 2023年6月からは、アクサ・ホールディング・ジャパンから492本の遊休傘の寄贈を受け、キャンパス内の24カ所にリユース専用傘立を配置、考案者の林さんとともに、学生環境推進委員会が日常の点検やメンテナンスを行い運用管理しています。
 背景として、国内の傘の年間消費量は約1億2000万~3000万本にのぼり(※1)、警視庁の遺失物センターには年間で約30万本届くのに対し、返却率はわずか0.9%に留まるという現実があります。さらに、約60cmのビニール傘は、製造から焼却までの過程において、692gものCO2が排出されるというデータ(※2)もあります。 このような現状を「もったいない」と考えた林さんは、コンセプトに「地球も人もストレスのない社会へ」を掲げ、資源の有効活用、CO2削減、利便性向上などで持続可能な社会の実現に貢献できると考え、傘の循環利用を地域に拡大していくことを構想して本プログラムを提案しました。  

(※1:日本洋傘振興協議会から引用)
(※2:環境省廃棄物・リサイクル対策部/3R原単位の算出方法から引用)

リユース傘案内板

考案者(林大翔さん)

SDGs関連活動

先輩から後輩へ、
「リサイクルショップ」でごみ減量

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先輩から後輩へ、「リサイクルショップ」でごみ減量

 愛着を持って使ってきた「まだ使えるモノ」を、卒業で引っ越すときにはごみに出してしまう。こうしたことが当たり前に行われています。
一方、一人暮らしの大学生活に胸ふくらませる1年生が、家電など生活用品をそろえようとして予想以上に負担が大きく、気持ちがちょっと萎んでしまうということが少なくありません。
 これに着目して両者をつなげたのが、日本工大の学生環境推進委員会です。卒業生の不要になった家具・家電を無料で回収し、清掃・整備をしたうえで、学内に展示して新入生に無料で提供(運搬も)する「リサイクルショップ」を2003年に始めました。
 この活動は、学生たちの3R(リユース・リデュース・リサイクル)の意識啓発にもつながっています。2017年には、ごみ減量化に寄与しているとのことで、久喜宮代衛生組合が主催する「ごみを減らしてきれいな街づくり表彰制度・資源リサイクル推進団体部門」で最優秀賞を受賞しました。
 2023年4月には、NHK、日本テレビ、TBSテレビのニュース番組において、この活動が全国放送されました。

2022年度リサイクルショップ会場の様子

テレビ局からインタビューを受けている赤澤委員長

「ごみを減らしてきれいな街づくり表彰制度・リサイクル部門」最優秀賞をし受賞

SDGs関連活動

太陽光発電システムが、キャンパスから排出される温室効果ガスを低減

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太陽光発電システムが、キャンパスから排出される温室効果ガスを低減

 世界の二酸化炭素排出量は1990年以来、50%近く増えました。海水温が上がり、海面が上昇。主要作物の収量は減少しています。日本の熱帯夜は、2019年は30年前の約2.6倍に増えました。
 低炭素社会を目指し、世界中で省エネ技術の開発や再生可能エネルギーの導入が進められています。
 日本工大はキャンパスから排出される温室効果ガスの低減を目的に、施設・設備のエネルギー消費を効率化するインバーターの導入やLED照明への切り替えなどを進めてきました。
 温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギーの太陽光発電システムを早くから導入し、創エネにも取り組んでいます。
 2000年、本館(教室棟)屋上に313kW(単結晶)の太陽光発電を導入しました。NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同研究と並行して設置したソーラーチューブ(13kW)はサステイナブルキャンパスを謳う日本工大のシンボルです。
 2010年には150KW(多結晶)をE1棟屋上に、2012年に60KW(アモルファス)を工業技術博物館屋根に設置し、2014年には57kW(多元素化合物系)と増強しました。
 総合発電容量580kWで、大学関連では国内最大級を誇ります。キャンパスで使用する電力の約8%にあたり、炭酸ガス排出量を約244t-CO2/年削減し、地球温暖化対策として効果を生み出しています。

ソーラーチューブ

発電量表示装置

ソーラーチューブ内部

本館屋上

SDGs関連活動

利根川強化堤防森づくり
ボランティア除草作業

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利根川強化堤防森づくり
ボランティア除草作業

 大規模な自然火災、集中豪雨、干ばつなど地球規模での自然災害が頻発し、日本では毎年のように台風やゲリラ豪雨による被害が起きています。地球温暖化、森林伐採や放置などが原因として挙げられています。
 GOAL15は、陸の生態系の保護、回復、持続可能な森林の経営、生物多様性の損失の阻止などをゴールとしています。
 埼玉県では利根川堤防の強化事業を進めています。1947年のカスリーン台風で決壊し、被害は県内と東京に及び、浸水区域人口は60万人に上りました。この事業では堤防の強化とともに斜面に森をつくります。木々の根が地域を決壊から守ってくれるのです。
 学生環境推進委員会は、2014年度から「利根川強化堤防森づくりボランティア」に参加しています。加須市の利根川堤防の斜面にクヌギやナラなどを植え、除草をして生長を促します。
 5月から11月を活動期間としています。雑草が茂る夏、炎天下の草刈り作業は楽ではありませんが、植えた木が翌年に訪れるとすくすく伸びていることや、そこに生息し始めた生き物や鳥などを見るのが楽しいと、学生たちは話します。
 ボランティア活動は、加須市・埼玉県・国土交通省と2019年までの約束でしたが、まだまだやめられないとの思いで続けています。

植樹記念看板の前で集合写真

植樹祭で記念樹を植える

2022年7月9日

2022年10月22日 下草刈り作業

2022年10月22日 植物調査

SDGs関連活動

金属製品で技術創造
大学発ベンチャー、
(株)日工テクノ

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金属製品で技術創造
大学発ベンチャー、
(株)日工テクノ

 日工テクノは大学発ベンチャーとして「金属製品で技術創造」をコンセプトに、研究室で生み出された技術を製品化し、世に送り出しています。
 独自技術の一つコイル材切削法は、金属を様々なサイズの繊維状にすることを可能にしました。ステンレス鋼をはじめ銅、チタンなど各種金属を不織布や焼結してシートなどにした製品が多彩な分野で採用されています。
 例えば、オートバイのマフラーフィルター。モータースポーツではF1にも採用されています。高熱・極寒への耐性が優れ、大気圏外での利用も可能など用途が広がります。
 さらに電子デバイスのCPUの冷却にも、ステーキハウスなど厨房のダクトのフィルターでも活躍しています。
 チタンの極細繊維の量産にも成功し、水素発生装置の電極の一部として使用され、再生可能エネルギーを利用したグリーン水素を支える技術としても注目されています。
 日本国内に限らず、ケンブリッジ大学やUCLなど海外の大学や研究機関、企業から注目を集め、SDG9「強靭なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進」に貢献しています。

株式会社日工テクノ
 1997年、ベルギーのベカルト社(19世紀創立、牧畜・農耕用の有刺鉄線から創業。現在、自動車タイヤの補強用スチールコードで世界的シェア)と連携し、設立。1999年にはフィリップ・ベルギー王国皇太子(現在は国王)が日本工大キャンパスに来学。2010年に大学主体の経営となる。

主要製品と小黒営業部長

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お問い合せ先

  • 0480-33-7519(企画室)
  • sdgs@nit.ac.jp

日本工業大学 埼玉キャンパス(学部/大学院)
〒345-8501 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1

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