教育方法学

小山 将史 准教授

Laboratory

研究室紹介

私は共通教育学群の所属ですが、本属は教職教育センターです。教職課程に設置されている科目を担当しています。教職課程とは、教員免許状(教免)を取得するための科目が開講され、所定の単位を修得すれば、卒業と同時に教免が教育委員会から授与されます。

共通教育学群の科目では、2021年度から学習基盤・キャリア科目の「キャリアデザインⅠ」(春学期)と「キャリアデザインⅡ」(秋学期)を担当しています。
高校で言うと進路指導が授業になったようなものですが、就職することだけが目的ではなく、その先の人生全般にわたる考え方や実践につながる端緒を学ぶものです。
2020年度までは、「学修と実工学Ⅰ・Ⅱ」を担当していました。「キャリアデザインⅠ・Ⅱ」の前段としてつながりのある授業です。大学での学びは、高校までの“学習”(学び習う)と異なり、自らが学びを修める“学修”でなくてはなりません。この授業では、本学のポリシーである『実工学教育』(授業でものづくりを実践し、実社会の中で自らの手で企画・制作ができるリーダーの育成をめざす)の一環として、ものづくりの楽しさや奥深さが実感できる授業を行っています。
私の授業では、過去の学び方や学習スタイルにこだわらず、新たな学習方法を編み出すお手伝いをしたいと考えています。

私の研究テーマのキーワードは、家庭学習・物的学習環境・授業デザイン・学習方略・ハンドブックです。教室以外で学習を行える場所の環境について、自分なりに読み解いたり(チェック)、整備したりする(カスタマイズ)力をつけるにはどうしたらよいか。教室での授業デザインと関連をもたせた家庭などで使用するハンドブックの活用について研究しています。

学修と実工学(つまようじを使った立体作品)

主な研究紹介

私たちが学習をする場所には、さまざまな要因が潜んでいます。目に見えやすい学習環境の要因に着目してみますと、学校でいえば教室や机などがあり、家庭では子ども部屋や学習机などの物的な要因があります。これ以外に、学校では先生や級友、家庭では親や兄弟などの人的な要因も重要な学習環境としてあげることができます。

くつろぐことができる子ども部屋は、学習を阻害(邪魔)する要因がたくさん存在します。例えば、ゲームやマンガ本、スマホやテレビなどです。それらとうまく向き合い、学習環境を整えることができれば、家庭内外での高い学習効果が期待できます。時間はかかりますが、継続して学習環境を整え、繰り返し見直せば、主体的に学ぶことで楽しくなり、学力は確実に向上できると考えています。

学習環境構築モデル

自宅で複数の学習場所を探す

では、実際に学習環境構築モデルを参考に、どうすれば学習が取り組みやすくなるかを簡単に解説します。
「チェック(確認と選択)」:家の中や学校の図書館、校外の学習室やファミレスなど、勉強できそうな場所を探して、何の勉強ならできそうかを選んでみましょう。自分の部屋がなくても自宅のいろいろなところを探し、近所や学校までの道筋も改めて確認してみよう。
「カスタマイズ(整備)」:学習のベース(基地)になるところを整理・整頓し、学習が楽しくなるように工夫をしてみよう。掃除や片付けから模様替えなど、継続して続けることで、学習が習慣化していきます。
この2つを実践することで、自分に合った学習環境を構築する力が養われます。これらは、目に見えやすい物的な学習環境についてですが、友人や家族など、学習にまつわれる人的な要素も意識して、よい学習環境を創っていってください。

今の自分を変えたい学生の皆さんへ

ここまで読んでくれてありがとうございます。勉強の仕方の話なのに、初めて聞くことばかりだと思います。私の研究領域は、教育学の中でも教育方法学です。勉強が苦手という人、うまく勉強がはかどらないという悩みがある人、学習環境について興味のある人など、気軽に私の研究室まできてください。