佐藤 弘康 准教授
Laboratory
微分・積分を利用して空間の性質を調べる微分幾何学の研究を通じて、工学の基礎を支える数学の発展に貢献しています。
平面$\mathbb{R}^2$上の半径$r$の円の面積は、中心点がどこであろうと$\pi r^2$であることはよく知られています。また、空間内の半径1の球面$S^2(1)$上の半径$r$の円の面積は$2\pi(1-\cos r)$であり、これも中心点に依らない$r$の関数となります。これは、平面も球面も曲がり方に関して非常にきれいな対称性をもつことがその理由です。
一般に、空間内の図形の面積(体積)は、体積密度関数の積分として表せます。平面や球面においては、体積密度関数を極座標で表したとき、中心点に依らない半径$r$の関数となります。このような性質をもつ空間を調和多様体といいます。「調和多様体は(とても対称性の高い)2点等質空間に限る」ことが予想されましたが、対称空間ではない調和多様体の族が見つかりました。これら以外に調和多様体の例が存在するのかどうかは明らかになっていません。調和多様体のさらなる理解を深めることを目指しています。
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