プラズマ応⽤

中村 耀 講師

Laboratory

主な研究紹介

「プラズマ」とは、電子や正イオン、中性粒子によって構成された準中性の粒子集団であり、自然界では雷やオーロラといった形で確認することができます。プラズマは気体にエネルギーを与えることによって生成することができ、そして通常の気体とは異なり荷電粒子が多く存在する状態であるため、「物質の第四の状態」と呼ばれることもあります。このプラズマを人工的に生成する場合には、気体に対して電気的なエネルギーを与えることによって気体分子を電子と正イオンに電離させる「気体放電」が一般的に利用されています。

当研究室では先述したプラズマを応用したデバイスの開発を目的として研究を進めています。デバイスの開発が目的ですので、研究は装置の設計を自分で行うことから始まり、その装置を利用して実験を行ってデータを取得するような内容になっています。

現在私がメインに行っている研究のテーマは、「プラズマウィンドウ」と呼ばれる技術を応用した超高真空空間で利用可能なプラズマ源の開発になります。プラズマウィンドウとは、物理的な壁のように圧力に差のある二つの空間の間での気体分子の流れを抑制しつつ、電子やイオンのような荷電粒子は簡単に通過することができるプラズマの壁を生み出す技術であり、「ヴァーチャルな窓」とも表現されることがあります。

実験で使用する電極(左図)とそれによって生成されたマイクロメートルサイズのプラズマウィンドウ(右図)

授業に関しては、専門科目を理解するために必要となる物理学を学ぶ授業と、簡単な物理実験を通して基本的なレポートの書き方や実験そのものの進め方を学ぶ授業の2科目を担当しています。どちらの授業に関しても入学してからすぐに学ぶ基礎的な科目になりますので、研究に限らず今後役に立つ場面は数多くあると思います。授業の内容で1つわからないことがあると、その先も連鎖的にわからなくなってしまうということは非常によくあります。ですので、何か少しでも引っかかることがあれば気軽に質問や相談にいらしてください。またなにかしらの「ものづくり」に関してもアドバイス程度であれば手助けできることがあるかもしれませんので、こちらに関しても何か困ったことがあれば気軽に研究室の方にいらしてください。