基幹工学部環境生命化学科
※2025年4月より、応用化学科から学科名称変更予定研究室紹介
持続可能な社会・環境を構築していくには、枯渇の懸念される資源を回生利用しつつ、省資源型の材料を創生して使用していくことが求められます。また、資源回生と材料創生については、省エネルギーを前提としたプロセスに基づく必要があります。当研究室では、生産活動における素材資源やエネルギー資源の合理的な利用を目指します。使われずにいる「もったいない」有益資源やエネルギーを再生する高温型プロセスの研究を行います。さらに、それらを用いた新たな省資源型の機能材料を創り出す技術も研究します。Metallurgyを基盤としたアプローチにより、環境に調和した、未来を見据えた工業プロセスの提案を目指します。
主な研究紹介
工業副生物の有用成分の活用に関する研究
工業製品の製造において、製品以外に発生する副産物には、有用な成分が含まれている場合が多くあります。そのような有用成分を活用して、副産物を高度に循環再利用していくための研究を行います。代表例として、鉄鋼製造時に発生するスラグには資源枯渇の懸念されているリンが多く含まれています。スラグ中のリンを合理的に活用する技術の研究を進めています。
未利用工業排熱の有効活用に関する研究
エネルギー資源の大半を輸入するわが国にとって、産業部門の排熱の有効利用は極めて重要ですが、産業排熱は1000℃を超えるような高温までの幅広い温度域にわたり、また発生サイクルが断続的である等の技術的課題が多くあります。このような排熱の平準利用を可能にするための高温型蓄熱材料の研究を行います。さらに、高温排熱源の発生環境に耐え得る熱伝達媒体と組み合わせて、所望の吸熱/放熱特性を発揮する蓄熱モジュールの開発を目指します。