
教育力・研究力教育改革シンポジウム
第88回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
「世界の中の日本~情報セキュリティの観点で~」
■日時
2026年7月13日(月) 16:30~18:30
■場所
学友会館 ホール
■趣旨
昨今のサイバー攻撃技術は、生成AI、特に自律型AIの台頭により小さな脆弱部分が一つあれば簡単に攻撃ができてしまう攻撃者有利の時代へと突入しています。このような折り、世界は今、何十年に一度といっても良い激動のさなかにあり、更に起きている変化の多くは悪い内容ばかりです。ロシアのウクライナ侵略、中東での戦争、そして台湾海峡や朝鮮半島の緊張、EU各国は準戦時下にあるなど。こうしたなか、トランプ米大統領の言動がさらに国際社会の緊張を高めています。世界はどこに向かうのか、海外取材の中心で変革の多くを見てきた記者としての立場からの目線で、現場から見えるサイバー攻撃の変化を含めた世界の変化や今後の展望についてご講演頂きました。
■プログラム
16:30~16:40 開会挨拶 石井一浩 CISO/学園情報システム部長
16:40~16:45 ご講演者紹介
16:45~17:55 ご講演
タイトル 『世界大戦のリスクを考える~海外取材の現場から』
ご講演者 日本経済新聞社・本社コメンテーター
秋田 浩之 様
17:55~18:20 質疑応答
18:20~18:30 総評 竹内貞雄 情報セキュリティ委員会副委員長/学長
(進行:学園情報システム部・吉岡)
■参加者数
101名
■ご講演者略歴
1987年(昭和62年)日本経済新聞社入社。流通経済部、政治部、北京支局、ワシントン支局などを経て、2009年9月から外交・安全保障担当の編集委員兼論説委員に従事。2016年10~12月、イギリス フィナンシャル・タイムズに出向し「Leader Writing Team」で社説を担当。2017年2月より現職に就かれ、外交・安全保障分野を中心に、定期コメンタリーを執筆している。
優れた国際報道に与えられる『ボーン・上田記念国際記者賞』を2018年度に受賞。 著書に、米中日関係の現状と行方を分析した「乱流米中日安全保障三国志」(2016年 日本経済新聞出版社)、「暗流 米中日外交三国志」(2008年 同)などがある。
1987年3月、自由学園最高学部卒業。1991年、米ボストン大学大学院修了(国際関係論)。2006~2007年には、米ハーバード大学日米関係プログラム研究員を務める。
■内容紹介
【開会挨拶概略】石井一浩CISO
本日は日本経済新聞社のコメンテーターであり、長年にわたり外交・安全保障分野の第一線で活躍されている秋田浩之様をお迎えでき大変光栄に思います。秋田様は、外交・安全保障、米中関係、国際秩序の変化などについてかねてより分析と発信を続けておられるジャーナリストです。世界に目を向けると国家間の競争は経済、技術、情報の領域へと広がっております。これまで安全保障と言えば軍事や外交をイメージしましたが、現在ではサイバー空間も重要な安全保障の舞台となっております。
皆様の生活におかれましても、生成AIの加速的な普及により利便性が飛躍的に向上した一方で、新たなリスクへの対応も求められる時代に突入しております。情報セキュリティは単なる情報技術ではなくなり、組織全体のガバナンス、国際情勢への理解、日本の置かれている立場なども理解しながら情報セキュリティに向き合わねばなりません。
本日、秋田様にご講演頂く国際安全保障の観点に、我々が考えるべき情報セキュリティの視点を加える事で、日頃からのパソコンやスマートフォンの利用への意識がより深まる事を期待します。本日のシンポジウムが皆様にとって有意義な時間となることを祈念します、と開会にあたってのご挨拶がありました。
【ご講演内容概略】日本経済新聞社 秋田浩之様
実際に緊張する世界各国を飛び回り、その現場で実際に見て、実際に感じてきたことを軸に解説してもらいました。現在の米政権を中心とした国際状況、戦争の絶えない中東、そしてAIにより戦争の戦略が変わってきている現状から未来を見据えた時、世界大戦の危険性が侮れないとの分析が示されました。欧州ではロシアによる準軍事攻撃が激化しており、日本から見ると非現実的に見えがちながら、欧州大戦の危険が存在するとの指摘がありました。アジアに目を向けると、米中間の緊張はその緩みを知らず以前の米ソ冷戦を思わせる米中冷戦は、その出口が見えない状況です。こうした世界情勢を、現場で実際に目にし、体感してきたことを紹介しつつ、細かく率直にご講演頂きました。AIによる情報セキュリティの崩壊を未然に防ぐには何をどのように世界に目を向けなければならないのかの一つのきっかけを考えさせられるご講演を頂きました。
最後に、秋田様からは次のような結びのあいさつがありました。
本日の話しは、悲観的な暗い話と思われたかも知れません。しかしこれは、とても前向きなテーマととらえて頂きたい。今の皆さんの生活の中で起きている現実やリスクなどは、今を生きるために正常性バイアスがかかった状態で生活しています。これは悪いことでは無く、そうすることで今を生きていく事ができるのも事実です。戦争などの悲惨な事、地震などの起きて欲しくない事などを、「起きないだろう」「起きるはずがない」と思い込むことで生活が成り立っていることも事実であります。しかし、本日話した事を知っていると、知らないとでは、知る事で一人一人が何をすれば良いのかを考えるきっかけになり、危ない流れを少しでも食い止める流れに、そして違った流れに変える事ができると考えます。私の役割はメディアとして、少なからずそういう事が大事だと思っているので、本日は現実に世界で起こっている情勢を率直に、包み隠さず感じている事を話しました。そういう意味で、とても前向きな話ができたと思っています、と締めくくられました。
【総評概略】竹内貞雄学長
秋田様、ご講演ありがとうございます。秋田様の話しを聞きながら、大学として教育機関として今の学生がとても心配になりました。今の学生は新聞、テレビ、ラジオなどを見なくなり、自分が興味のあるものにバイアスのかかったネットニュースからしか情報を得ていません。情報を取り込む力のある学生の内にもっと現実世界で起きている国際情勢に目を向けて欲しい。しかし、今のこの緊迫している国際情勢を正確に俯瞰して書かれた解説本が無いのが現実なので、是非秋田様に今日のご講演のような俯瞰した世界情勢を記した本を書いて欲しい。その本をもって、もっと学生に世界に目を向けること、そしてこの緊迫している国際情勢を正確に適切に学生に教えていくのが、我々大学としての教育機関としての役割だと考えます。本日のご講演は教育の面からも深く考えさせられるとても有意義なご講演でした、と総評を頂き、盛会の内に本シンポジウムを閉会しました。
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開会挨拶:石井CISO -
講演:日本経済新聞社・秋田様 -
総評:竹内学長
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