人間-機械協調系研究室 (荒川 俊也)|データサイエンス学科|学部・大学院|実工学教育の日本工業大学

先進工学部データサイエンス学科※2022年4月開設

人間-機械協調系研究室

荒川 俊也 教授

教員紹介

研究室紹介

荒川研究室(人間-機械協調系研究室)では、次の2つの研究を軸として研究を進めています。これらは過去の卒業研究のテーマでもあります。
(1) 自動車人間工学、特に、自動運転レベル3以上における過信・依存発生の生体情報に基づく検証や、過信・依存を抑制するHMI(Human Machine Interface)の開発
(2) 統計科学・機械学習の、社会における実問題への適用

主な研究紹介

自動車人間工学研究

世の中を便利にすることが期待されている自動運転ですが、現在、我々は、自動運転時に、ドライバが、システムに、過信・依存し、その影響で、システム側に不具合が生じた際に、適切にドライバに権限委譲ができるか、ということに着目しています。本研究室では、大型ドライビングシミュレータを用いて、自動運転時の様々なドライバの生体情報を計測し、過信や依存が生じた際に、どのようなドライバ状態に陥っているかを評価・検証しています。また、この結果を用いて、過信・依存を抑制するHMIの開発を行っており、最近は、車載搭載型香り空気砲の開発も進めています。更に、得られた生体情報を基にして、機械学習によって過信・依存度合いを推定、ドライバに情報提示するHMIの開発も進めています。

統計科学・機械学習の、社会における実問題への適用

ビッグデータや機械学習の時代と言われて久しく、その技術も百花繚乱の様相を呈しています。しかし、ビッグデータや機械学習はあくまでも社会を豊かにする手段であり、どのような問題に対して適用するかが今後の鍵になると考えます。本研究室では、ビッグデータを扱うための統計科学や機械学習について、それ自体の理論的な検討だけでなく、実社会の「困りごと」における適用を進めています。本研究室で近年進めた内容は次の通りです。

■機械学習の動物行動推定への適用(コンソミックマウスの社会行動推定、シバヤギの発情推定、乳牛の病理診断など)
動物の行動を非接触センサで取得し、そのログデータを機械学習させることで、様々な行動を推定しています。この成果は、今後の畜産分野のICT技術発展に貢献し得る技術であると考えています。また、コンソミックマウスの社会行動推定の研究については、国立遺伝学研究所などと共同で進め、データ取得・機械学習・結果の可視化を一貫して行えるDuoMouseというソフトウェアとして公開しています。

■東日本大震災がもたらした電力需給構造の評価と節電体制の評価
簡単な統計解析によって、東日本大震災を機とした電力需給構造を定量的に捉え、節電体制が定着していることを明らかにしました。これらの知見は、今後の電力供給のコントロールを適切に行うための手がかりになり得るものと考えます。

■地方自治体の長期的公共インフラ管理政策立案とOR的手法による評価
愛知県内の橋梁を対象として、将来的な維持管理・更新コスト削減を持続可能な公共インフラ管理方法を発掘するための研究です。橋梁の削減によるコスト最小化と可能な限り橋梁を維持し交通サービス最大化を両立するために、地理情報システム(GIS)とOR的手法を用いて、これらを両立するために除却すべき橋梁の検討と評価を実施しました。

■深層学習を用いた染色画像内の毛細血管定量化手法の開発
生体内組織形成術において十分な強度を有する組織体の形成時間を加速する技術開発を行うために、組織形成のキーとなる毛細血管量やコラーゲン量を定量評価することが求められます。本研究では、マッソントリクローム画像の画像解析と、その結果を深層学習させることで高精度で定量化する手法の開発を進めています。

■津波避難時の危険予知意識向上と避難手法の選択に資するKYTシート・アプリの開発
防災教育の一手法として、南海トラフ巨大地震発生を想定した津波警報発令直後の避難時における危険予知意識向上と行動の改善に資するKYT(Kiken Yochi Training)シート・アプリケーションの開発と評価を目的としています。コンテンツおよびドライビングシミュレータによる避難訓練実施と危険予知意識の計量を通してKYTシート・アプリを開発し、実際にKYTシートの運用により教育効果を検証するものです。本研究は、実際に東日本大震災を経験した宮城県石巻市と、今後の南海トラフ巨大地震発生時に被害が想定される愛知県西尾市と連携した研究ですが、本研究で得られると想定される成果は、全国の防災訓練に貢献できると考えています。