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基幹工学部応用化学科 佐野健一教授らの研究成果が アメリカ化学会(American Chemical Society)のBiochemistry誌に掲載されました。

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基幹工学部応用化学科 佐野健一教授らの研究成果が、アメリカ化学会(American Chemical Society)のBiochemistry誌に掲載されました。その研究内容を紹介します。

研究内容

タンパク質「α-ヘリカルコイルドコイル構造」の形を維持するしくみの解明に関する研究
~遺伝子制御応用への可能性~

 タンパク質の構造モチーフに、「α-ヘリカルコイルドコイル構造」というコイルばねを二つ並べたようなものがあります。このモチーフは、遺伝子制御におけるスイッチの役割をする、とても重要なタンパク質にも使われています。これまでは、この構造モチーフの安定性を決定する要素は、2本のコイル状分子が並んだときその間に働く分子間の結合の力だと考えられていました。ところが、佐野先生らは、分子間の結合の力を変えずに、コイルを作る強さを変えた分子の作製に成功し、2本のコイルが並んだ構造を保つのは1本のコイルそのものを作る力が強い分子が2本並んだ場合のみだ、ということをつきとめました。この研究成果は、遺伝子制御に応用できる可能性が高く、世界中の科学者が注目するアメリカ化学会(American Chemical Society)のBiochemistry誌に掲載されることになりました。

図解:「α―ヘリカルコイルド構造」の形を維持するしくみ

■掲載論文
Ken-Ichi Sano*, Tsubasa Yuki, Yuta Nomata, Norihisa Nakayama, Ryo Iida, Hideyuki Mitomo, Kuniharu Ijiro, and Yoshihito Osada
Biochemistry 2020, volume 59, Issue 23, p2194-2202 (Publication Date:May 29, 2020)
https://doi.org/10.1021/acs.biochem.0c00203

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教育研究推進室長のつぶやき

本学の学内特別研究費を活用しての成果です。ただ、論文を見ましたが、はっきり言って研究内容は“チンプンカンプン”。でも、佐野先生の解説と図解により内容を感覚的につかむことができました。
「難しいことを優しく」は、本学の教育の基本になっているのだと思っています。