日本工業大学 :: 令和5年度「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム」に本学共通教育学群の八木田浩史教授が参画します

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令和5年度「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム」に本学共通教育学群の八木田浩史教授が参画します

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と独立行政法人国際協力機構(JICA)が共同で実施している地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の令和5年度新規採択研究課題に東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の兼橋真二准教授を代表とする提案が条件付きにて採択*(*外務省による相手国政府との実施にかかわる国際約束の締結、相手国関係機関との実務協議が合意に至り、正式に共同研究を開始するまでの暫定処置)されました。今回、環境・エネルギー分野「地球規模の環境課題の解決に資する研究」の申請数は31件(うち5件は他の領域へ移動)であり、そのうち本件を含む3件が採択されました(採択率10%程度)。

本研究は豊富な再生可能資源(バイオマス)を有するタイ王国と日本の2国間の産官学からなる研究体制で実施する国際共同研究です。現在の社会問題となっている地球温暖化、プラスチック諸問題、資源・エネルギー問題、そしてタイにおける農業労働者の経済格差問題への対策として、世界生産量1位の天然ゴム産業から発生する未利用資源であるパラゴムノキの種の持続可能な有効利用技術確立を目指します。これにより、天然ゴム産業の新たな収益の向上による労働環境の改善、カーボンニュートラルな未利用資源の活用による温室効果ガス排出量の削減、石油使用量の削減、プラスチック諸問題の解決、新しいバイオマス産業の創出による多様な社会インパクトを作り出します。

本研究では次の6つの具体的な課題に取り組みます。

 1.天然ゴム農園の現地調査(パラゴムノキの種の持続可能な採取システムの確立)
 2.パラゴムノキの種からの植物油脂(RSO)の搾油と精製
 3.RSOの有効利用技術開発(グリーンマテリアル、グリーンエネルギー)
 4.ライフサイクルアセスメント(LCA)による環境負荷評価、事業経済性・合理性の検討
 5.人材交流・人材育成・技術研修
 6.国際コンソーシアム(社会実装に向けた国際拠点)の形成

※八木田教授は4の課題について中心となって取り組みます。

本研究の遂行により、海外の未利用資源の持続可能な有効利用技術開発のモデルケースの確立を目指します。


【研究課題名】
未利用天然ゴムの種の持続的カスケード利用による地球温暖化およびプラスチック問題緩和策に関する研究

【代表者】
兼橋 真二(東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授)

【本学からの共同研究者】
八木田 浩史(日本工業大学共通教育学群 教授)

【共同研究相手国/主要相手国研究機関】
タイ王国/チュラロンコン大学(代表機関)、カセサート大学

【日本研究参画機関】 *五十音順
大阪公立大学、京都工芸繊維大学、東京大学、日本工業大学

【連携機関・企業群】
研究成果の早期社会実装を実現するため、両国から下記関連分野の企業および関係機関と連携を行います。
タイヤ・ゴム、総合化学、農機機械、インフラ資材、食品、産業ガス、環境評価、特許事務所、国立研究所、各関係省庁など


SATREPSは科学技術外交強化の一環として実施されているプログラムです。新興国のニーズを踏まえ、地球規模課題を対象とした国際共同研究を推進しています。日本工業大学はこのSATREPSでの活動を通じ、カーボンニュートラル社会の実現、SDGsの達成、そしてグリーントランスフォーメーション(GX)の実現に積極的に対応し、国際共同研究での地球規模課題の解決により、国際社会に貢献していきます。


【関連リンク】
◆国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1620/index.html
◆独立行政法人国際協力機構(JICA)プレスリリース
https://www.jica.go.jp/press/2023/20230518_41.html
◆SATREPS公式WEBサイト
https://www.jst.go.jp/global/index.html
◆共通教育学群 八木田浩史教授 プロフィール
https://www.nit.ac.jp/campus/teacher/pe_yagita
◆日本工業大学 共通教育学群
https://www.nit.ac.jp/department/common
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