日本工業大学 :: 電子情報メディア工学専攻の学生が非線形ワークショップ夏の大会にて各賞を受賞

RESEARCH HEADLINES研究活動トピックス

受賞

電子情報メディア工学専攻の学生が非線形ワークショップ夏の大会にて各賞を受賞

電子情報メディア工学専攻(松浦研究室)に所属する学生4名が 9月2日、令和7年度 非線形ワークショップ夏の大会において「最優秀発表賞」「優秀発表賞」をそれぞれ受賞しました。
受賞者名および受賞研究詳細については以下の通りです。

最優秀発表賞

【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程1年 仲野 壮 さん
【受賞研究名】
確率的発火判定を導入したカオス探索法における種々の問題への性能調査​​​​​​​
【研究内容】
効率的な配送経路を求める手法として人間のニューロンを模倣したカオス探索法を用いた解法が提案されています。従来のカオス探索法は時間枠制約付き配送計画問題に対してニューロンの発火率が低いという問題がありました。そこでこの手法に対して、確率的発火判定を適用し、その性能を種々の問題に対して調査しました。数値実験の結果、時間枠制約付き配送計画問題だけでなく、巡回セールスマン問題に対しても良好な性能を示すことを確認しました。
今後、効率的な配送経路を求めることで、配送サービスにおける運搬車の台数や燃料費などのコストの削減が期待されます。​​​​
【受賞者のコメント】
この度、このような賞をいただけたことを大変嬉しく思います。この結果は、私一人の力ではなく、日々ご指導くださった先生方や先輩方のおかげです。今後は、さらに熱意を持って研究に取り組んでまいります。

優秀発表賞

【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程2年 熊谷 鳳矢 さん
【受賞研究名】
重力中心性とsin関数を利用した確率的ルーティング戦略
【研究内容】
ネットワーク上のパケット混雑を緩和する解法の一つに、万有引力の法則から着想を得た重力中心性を用いた手法があります。しかしこの手法は、一部の経路を極端に避けてしまい、その結果、迂回先で多くのパケットの経路が重なってしまう課題がありました。そこで、本研究では、sin関数を用いて経路の重なりを解消する手法を提案しています。従来手法と比較して提案手法は約14.7%以上のパケット処理性能を示すことを確認しました。
さらに、本研究の成果により、ネットワークの規模の増大に伴い、提案ルーティング戦略の有効性が向上することを確認しました。この成果は、今後のIoT機器の爆発的な増加や5G/6Gの普及などによるネットワークの大規模化に対して、安定したデータ通信性能の実現に貢献します。​​​​
【受賞者のコメント】
今回、このような賞をいただけたこと、大変嬉しく思います。指導いただきました松浦隆文先生、木村貴幸先生に深く感謝申し上げます。今後も研究について理解を深め、研究成果を出せるように尽力します。

【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程2年 小竹 望未 さん
【受賞研究名】
多峰性関数における情報エントロピーを導入した蟻コロニー最適化法​​​​​​​​​​​​​​
【研究内容】
連続関数の最適化問題の一つに、記憶構造を持つ蟻コロニー最適化法があります。この手法に対して、解の分布状況に応じて、蟻の解探索範囲の集中化と多様化のバランスを動的に取る手法を導入しました。数値実験の結果から、短い時間でより良い解を探索することを確認しました。
この研究成果は、ドローンの飛行経路計画問題やポートフォリオ最適化問題のような、現実世界における複雑な最適化問題を解決するために活用されることが期待されます。
【受賞者のコメント】
この度の受賞に際し、日頃から温かくも熱心なご指導、ご支援を賜りました先生方に、厚く御礼申し上げます。この受賞を励みとして、今後はより一層研究に精進してまいります。

【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程1年 仲沢 綾夏 さん
【受賞研究名】
時間短縮を目的とした重力中心性に基づく時系列分割手法​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​
【研究内容】
膨大な時系列データを効率的に解析するための時系列分割手法の一つとして新たに、時系列の時空間的構造を考慮した、重力中心性を用いた時系列分割手法を提案しました。さらに、この手法に対して計算時間の短縮を目的とした改良を行い、様々な時系列を、構造に注目しながら素早く効率的に分割する手法を実現しました。
【受賞者のコメント】
このような賞をいただけたこと、大変嬉しく思います。ご指導くださいました先生方に、深く感謝申し上げる次第です。今後も研究への理解を深め、さらなる成果を出せるよう精進いたします。

IMG_6772(HP2).jpg
(左から)仲沢さん、仲野さん、熊谷さん、小竹さん

【参考】
非線形ワークショップ
データサイエンス学科 最適化アルゴリズム​​​​​​​研究室(松浦隆文​​​​​​​ 准教授​​​​​​​)

一覧に戻る