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受賞
雷撃音によるシイタケ発生促進のメカニズムを解明した研究で、学生優秀発表賞を受賞
電子情報メディア工学専攻博士前期課程2年(平栗研究室)の尾釜遼さんが7月13日、電子情報通信学会コミュニケーションクオリティ研究会の学生優秀発表賞を受賞しました。受賞論文名は「雷撃の音圧と周波数によるシイタケ子実体発生促進」。
古くから農家の間には「落雷によってシイタケが豊作になる」という言い伝えがあります。本研究は、この伝承の実証を目指し、雷の影響によるシイタケの発生促進を解明するための実験を行いました。
これまでの研究成果では、榾木(シイタケの菌を植え付けた原木)に高電圧の雷撃を印加することで、2倍の子実体発生効果が得られることを実証しました。しかし、電界を計測したところ実際に榾木まで届くことはほとんどなく,電気による影響は低いと考えました。そこで尾釜さんは、雷撃で発生する「音」が要因ではないかという仮説を立て、スピーカーを使用してシイタケに雷撃音を聞かせながら、成長促進に最適な音圧と周波数を探りました。その結果、一定以上の音圧と特定帯域の周波数を持つ音をシイタケに与え続けると、子実体の発生が促進されることを実証しました。
本研究では、雷とシイタケ発生促進の因果関係について学術的視点から実証しましたが、将来的には、シイタケ栽培の現場において発生時期をコントロールする方法として活用される可能性も見出しました。
受賞に際し尾釜さんは「今回の受賞を大変嬉しく思います。指導していただいた平栗教授、清水准教授、学外の先生方に感謝しています。この受賞を糧に一層研究に励み、多くの研究成果を出せるよう精進していきたい」と抱負を述べています。