建築学部建築学科・建築コース
研究室紹介
町家や民家などの歴史的建造物は、建築意匠・技術の発展を示す貴重な文化遺産です。当研究室では、主に近世に造られた歴史的建造物がどのように発展してきたのか、歴史学、美術史、技術史、民俗学など様々な視点から調査・研究に取り組んでいます。これまで、長崎・金沢・仙台の町家、埼玉県内の歴史的建造物の調査を実施してきました。
主な研究紹介
ライデン国立民族学博物館所蔵の町家模型について
19世紀はじめ、長崎出島のオランダ商館に勤務したシーボルトは、日本人の職人に日本の町家の模型を製作させました。模型は、長崎の町家がモデルとなっています。現在、模型は、オランダのライデン国立民族学博物館に所蔵されています。これらの模型を調査し、長崎の近世町家の特質を明らかにすることを目的としています。
詳しくはライデン国立民族学博物館のホームページをご覧ください。
◆ライデン国立民族学博物館のホームページはこちら
町家形式の風土決定論に対する批判的研究
気候・風土は民家形式を決定するひとつの要因であっても、唯一の決定要因ではないと考えています。本研究で扱う「町家」も同様です。「町家」を説明する用語(土蔵造、船枻造、雁木、板葺石置屋根、虫籠窓など)はきわめて豊富で、多様な町家形式が歴史的な町並みの重要な構成要素となっています。これらの形式は、近世に骨格が造られ、その蓄積が近代、現代へと受け継がれています。この近世に造られた多様な町家形式は、地域性を示す重要な要素です。形成要因を明らかにすることで、歴史的町並みの保存・活用に寄与することを目指しています。
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▪京町家の影響
▪庇下通道は存在しない
▪板葺石置屋根
▪土蔵造町家はきわめて少ない -
▪江戸との類似性
▪庇下通道の存在
▪瓦屋根の普及
▪土蔵造町家が多い