基幹工学部電気情報工学科
※2025年4月より、電気電子通信工学科から学科名称変更予定研究室紹介
本研究室では、電力系統の主要機器である同期機を中心に、系統事故等の過渡現象時にタービン等原動機と機械連成現象の影響について研究を行います。また電気摺動接触機構と呼ばれる、進行する移動物体や回転などする動体に直接、電流給電あるいは電気信号などをやりとりする信頼性の求められる機構で、古くからある重要な技術があります。今では新分野の機器への適用が期待される古くて新しいテーマです。いずれのテーマも、近年の地球温暖化問題が大きくクローズアップされる中で、従来とは異なるシステムが求めらている背景があります。
主な研究紹介
同期機の過渡現象における機械連成等の影響に関する取り組み
近年、増大するエネルギー需要と地球温暖化問題が大きくクローズアップされる中にあり、再生可能エネルギーを使用した発電は増加の一途にあります。それに併せて、これまでの電力系統のシステムとは違った構成へと変化しています。それまで電力系統の中心であった同期発電機の役割は、他方の意味でも重みを増しています。この研究では、系統事故等の過渡現象時に発電機の挙動を推定する取り組みを行なっています。タービン等原動機との機械連成現象を考慮した過渡特性と、変化している電力系統の影響を考慮した考察を進めています。
発電機・電動機等における電気摺動接触機構の信頼性に関する取り組み
電気摺動接触機構と呼ばれる、移動する進行物体や回転体上に直接、電力や信号を確実に伝達する、速応性にすぐれた古くて新しい技術があります。その起源は1880年代にエジソンが開発したダイナモにさかのぼります。身近なものでは電気鉄道のパンタグラフとトロリ線がその代表です。一般には、クラシックなローテクとの印象をうけますが、発電プラントなど大容量電力向けの大形発電機でも適用される機構であって、高い信頼性と安定性が求められます。近年では、その活躍の場を新分野へと広げる動きがあり、電気自動車をはじめ、トラックや航空機など電動化へ向けた動きの中で新分野への適用期待が高まっています。この電気摺動の通電接触現象は、機種ごとの特徴的な要素を含んだ体系だった現象論としての解明が必要です。この研究では、従来機構の高度化と新分野への適用に向けた高い信頼性を示すために、体系だった現象論として解明するために取り組んでいます。