日本工業大学 :: 建築デザイン学専攻の輿石さんの論文が日本建築学会関東支部の優秀研究報告集に選定

RESEARCH HEADLINES研究活動トピックス

研究活動

建築デザイン学専攻の輿石さんの論文が日本建築学会関東支部の優秀研究報告集に選定

 建築デザイン学専攻博士前期課程2年(田中研究室)の輿石悠介さんが3月27日、日本建築学会関東支部の2024年度第95回日本建築学会関東支部研究発表会で行った発表内容が大変優秀と認められ、優秀研究報告集に掲載する論文として選定されました。
 論文題目は「スラグ細骨材置換による暑中コンクリートの単位水量及び混和剤添加量低減に向けた検討」。

 この研究は、コンクリートを作る際に使われる材料の一つである「球形状の電気炉スラグ細骨材」の形状的な特性に着目したものです。25℃を超える様な夏季のフレッシュコンクリートは、標準期に比べ時間と共に流動性が速く低下するため、化学混和剤の添加量を増やし流動性を確保しています。特に38℃を超える様な酷暑期の時期では、化学混和剤の性能を越えて流動性が著しく低下するため、化学混和剤に依存しない流動性確保の技術が求められています。

 そこで輿石さんの研究では、化学混和剤に過度に頼るのではなく「球形の電気炉酸化スラグ細骨材」をコンクリートの材料の一部として使うことで、酷暑期のフレッシュコンクリートの流動性の改善に寄与する効果を見出し、成果として発表致しました。
 このように、産業副産物であるスラグ系細骨材をコンクリートに利用するこの研究は、暑熱化が進む現代において、高品質な建設を続けながら環境負荷も減らすための新しい技術や材料開発のヒントとなる可能性を秘めています。
 輿石さんは「人に評価されるのはとても自信につながります。社会に出ても、人に認められるような成果を残したいです」と抱負を述べています。

■2024年度 第95回日本建築学会関東支部研究発表会 優秀研究報告集 http://kanto.aij.or.jp/images/pdf/yushu/yushu2024.pdf

■建築学科 建築材料研究室
https://www.nit.ac.jp/department/architecture/lab/lab2/materials

一覧に戻る