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電子情報メディア工学専攻の学生がコミュニケーションクオリティ研究会の最優秀ポスター賞を受賞
電子情報メディア工学専攻(平栗研究室)に所属する学生2名が9月1日、電子情報通信学会 第6回コミュニケーションクオリティ研究会の学生ワークショップにおいて「最優秀ポスター賞」を受賞しました。
受賞者は以下の通りです。
◆❖◇ 最優秀ポスター賞 ◇❖◆
【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程2年 青山 幸瑶 さん
【受賞研究名】
通信品質を考慮したドローン飛行経路最適化手法の検討
【研究内容】
Beyond 5G/6G時代には、ドローンを活用したサービスの飛躍的な拡大が期待されています。しかし、ドローンは地上ユーザーとは異なる複雑な伝搬環境にさらされ、飛行中に通信品質が大きく変動するという課題があります。本研究の新規性は、飛行しながら通信品質を逐次推定し、波源推定などの高度な技術を用いて良好な通信環境を把握、その結果に基づいて経路を動的に修正する点にあります。これにより、ドローンは常に最適な通信状態を保ちながら飛行でき、従来の静的な経路設計を超える革新的な制御手法を実現しました。
本成果は、農業分野での受粉やモニタリング作業を安定的に自動化できるほか、防災・災害対応においては被災地での迅速かつ確実な情報収集や救援活動を支えることが期待されます。さらに、インフラ点検や物流など多様な分野への応用も見込まれ、Beyond 5G/6G時代の社会を支える基盤技術として大きな可能性を秘めています。
【受賞者のコメント】
最優秀ポスター賞を受賞できたことを大変光栄に思います。これまで支えていただいた先生方や関係者の皆さまに感謝するとともに、この成果を次につなげられるよう、今後も研究に精一杯取り組んでいきたいです。
【受賞者名】
電子情報メディア工学専攻博士前期課程1年 吉岡 理音 さん
【受賞研究名】
ドローン受粉におけるナシの結実率の評価
【研究内容】
4月に自動で梨の受粉作業を行うドローンの実証実験をまとめ、その成果をポスターで発表しました。発表のポイントは、従来の手作業による受粉方法と比較して、結実率において同等の成果が得られたこと、さらに人手を必要としない自動化により大幅な省力化が実現できることを示した点です。本研究は、従来研究が主に効率化や補助的利用にとどまっていたのに対し、完全自動化による実証的成果を提示した点が評価されました。
本成果は、梨の受粉作業をドローンで自動化できることを示したものであり、今後の農業における人手不足や高齢化対策として大きく活用されることが見込まれます。受粉昆虫の減少といった社会的課題に対しても、安定的で効率的な受粉手段を提供でき、食料の安定供給に貢献します。さらに、他の果樹や作物への応用も可能であり、持続可能な農業の実現に寄与すると期待されます。
【受賞者のコメント】
受賞できるとは思っていなかったので大変驚いていますが、同時に光栄に思います。ご指導いただいた平栗教授をはじめ、学内外の先生方、そして埼玉県農業技術研究センターの皆さまに心より感謝申し上げます。今回の経験を励みに、今後も研究に一層励んでいきたいと思います。
吉岡 理音さん(左)、青山 幸瑶 さん(右)
【参考】
◆電子情報通信学会 コミュニケーションクオリティ研究会
https://www.ieice.org/cs/cq/jpn/
◆電気情報工学科 イノベーティブAgriComm研究室(平栗 健史 教授)
https://www.nit.ac.jp/department/electronic/lab/lab2/transmission_media