基幹工学部機械工学科
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研究室紹介
ダイヤモンドに代表される炭素系材料は、炊飯器から宇宙開発まで、幅広い分野で活用されている新材料です。その合成装置および新しい合成方法を研究しています。また、企業や研究所と連携することで、より実用的な技術へとブラッシュアップしています。
主な研究紹介
高機能ダイヤモンド膜の合成と機械特性評価
カーボンファイバーを多用したボーイング787は、ダイヤモンド膜をコーティングした工具を使って製造されています。今後カーボンファイバーは自動車へ利用が進みダイヤモンドコーティング工具の需要は大きく増加します。写真は気相法で合成したダイヤモンド膜ですが、結晶成長を制御することで平滑性を向上させたり、微細化した一例です。当研究室では機能を高めたダイヤモンド膜をコーティングした工具を製作し実機評価までを行う研究を進めています。
結晶成長を制御して合成したダイヤモンド膜
DLC膜の耐摩耗部材への応用と摩擦特性評価
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜は原子レベルの平滑性と低い摩擦係数を有した非晶質炭素膜の総称で、宇宙・航空関係から、工具、生体・医療、食品包装までの幅広い分野で実用化が進められています。当研究室では、合成方法を工夫し、表面構造を変化させ摩擦係数を極限まで低下したDLC膜を合成します。実際にプラスチック成形金型にコーティングすることで製品寸法を向上させるなど、プラスチック成形の高機能化の研究を進めています。
RFプラズマCVD合成装置
大気圧プラズマを用いた炭素系材料・プラスチック材料の表面改質
最近の表面処理は原子や分子層レベルの改質により、水をはじいたり、濡れるように変化させることができます。写真は大気圧プラズマを照射することで、水をはじくフッ素樹脂が水滴の接触角がほぼゼロ度になる超親水性に改質できることを示しています。この改質技術は炭素を主成分にしたダイヤモンド、DLC、プラスチックに応用可能です。異なるプラスチックや金属に強固に接着できる表面処理として炭素系材料の高機能化を実現する研究を進めています。
大気圧プラズマ照射によるPTFE(フッ素樹脂)の接触角の変化