RESEARCH HEADLINES研究活動トピックス
応用化学科の内田祐一教授が日本鉄鋼協会「学術記念賞 西山記念賞」を受賞
3月8日、応用化学科の内田祐一教授が日本鉄鋼協会「学術記念賞 西山記念賞」を受賞しました。
受賞題目は「環境調和型鉄鋼精錬プロセスの研究」です。
「西山記念賞」は、鉄鋼に関する学術、技術の研究に多大の功績のあった者に贈られる賞であり、元川崎製鉄社長として戦後の我が国鉄鋼業の目覚ましい成長と高い国際競争力の源泉を築いた西山彌太郎氏の業績を記念したものです。日本鉄鋼協会 第185回春季講演大会の期間中の3月8日に表彰式があり、3月10日に受賞記念講演が行われました。
高品質な鉄鋼製品を製造するために、1300℃を超える溶融状態の鉄から不純物元素を極限(数ppm~数十ppm)まで除去する精錬プロセスが行われます。その中で、主に溶銑予備処理と呼ばれる、我が国鉄鋼業が世界をリードする精錬技術について、リンや硫黄等の不純物除去の基礎から実用にわたって高水準の研究および技術開発を行いました。さらに精錬処理の副産物である鉄鋼スラグの有効利用技術に関する研究にも取り組んでいます。これらは多くの技術論文にまとめられており、環境調和型の鉄鋼精錬プロセスの構築に貢献したことが評価されました。
世界的な鉄鋼生産の増加に伴い、鉄鉱石資源の劣質化が一層の課題となる中、今回受賞対象の成果がその解決にさらに効果を発現することが期待されます。
内田教授は今回の受賞に際し、「今後もグローバルな視点で、SDGsにも直結する鉄鋼プロセスの省エネルギーや脱炭素化の推進に資する研究を続けていきたい。」と述べています。
受賞した内田教授
【参考】
◆日本鉄鋼協会
https://www.isij.or.jp/
◆内田祐一教授 プロフィール
https://www.nit.ac.jp/campus/teacher/ac_uchida
◆内田祐一教授 資源循環材料工学研究室
https://www.nit.ac.jp/department/chemistry/lab/lab2/resource