教育改革シンポジウム第72回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
第72回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
教育現場の LGBT
LGBT の学⽣が過ごしやすい学校現場とは
~性の多様性にあふれ、各学生が楽しく成長できる場所~
■日時:
令和 4 年12⽉15⽇(木) 17:35~19:00
■場所:
5号館 5-203 教室(Teams配信あり)
■趣旨:
性⾃認や性的指向は、⼈間が本来持っている多様性の⼀つです。性のあり⽅(セクシュアリティ)は様々であり、⽇本における LGBT の⽅々の割合は、およそ 5〜10%と⾔われています。しかしながら、世の中においては、依然として周囲の無関⼼や偏⾒、差別などが⾒受けられます。本シンポジウムでは、性⾃認や性的指向の多様な在り⽅の理解を促進、尊重し、LGBT の学⽣が過ごしやすい学校現場を考えていくために、レイ法律事務所の森伸恵弁護⼠を講師に迎え、LGBT の学⽣が悩むこと、カミングアウトやいじめ、教職員や保護者等ができることなどについて講義していただきました。
■プログラム:
17:35〜17:40 挨拶:成⽥ 健⼀ 学⻑
17:40〜17:45 趣旨説明・講師紹介:⻄村 典晃 学園事務局⻑補佐
17:45〜19:00 講演:森 伸惠 ⽒
質疑応答は、講演終了後個別に承りました。
(進⾏:総務課長 杉村 京子)
■参加者数:180名
■講師プロフィール
森 伸惠(もり のぶえ)⽒ レイ法律事務所 弁護⼠
茨城県出⾝。創価⼤学法学部卒業、創価⼤学法科⼤学院法務研究科修了。
・東京弁護⼠会 LGBT 法務研究部部会員、⺠事介⼊暴⼒対策委員会委員
・東京都産業労働局「LGBT/SOGI に対応した職場環境づくり」講師
・(⼀財)中部⽣産性本部、東京都労働相談情報センター、企業、学校法⼈等での講演実績多数
■内容の紹介:
イントロダクションでは、LGBT当事者たる学生や自身の性に違和を感じている学生が、実際にどのような悩みを感じているのかに関して、自己の悩み、学校生活での悩み、友人関係での悩み、および家庭内での悩みに分類して具体的に説明されました。次に、憲法から始まる関連法について、および過去に実際にあった訴訟を事例に裁判所での判例について解説され、法的な位置づけについての確認をしました。それらを踏まえ、以下の3つのテーマに関して講演されました。
(1)LGBTの基礎知識
自分の性別をどのように考えているのか(性自認)、自分がどのような性別の人に惹かれるのか(性的指向)について確認し、性別違和(トランスジェンダー)と性同一性障害との違いなどについて考えました。
(2)カミングアウト
全国のLBGT人口の割合は8.9%と非常に多いこと、SOGI※2)ハラスメントの類型、および現状として、特に大学における事例を中心に、学生の立場、教職員の立場から解説されました。
(3)大学におけるLGBT対策(就職対策含む)
NPO等の支援の状況、大学での指針の策定例、および具体的な支援に関する先行大学の事例について詳しく説明されました。最後に、実際にカミングアウトされた方との対話形式での話もあり、さらに具体的に理解を深めることができました。
背景、用語の定義の確認、具体的事例、および大学での取り組みの参考例まで、教職員にとって大変勉強になる内容でした。今後に活かされることを期待します。
(教育研究推進室 神 雅彦)
※1) 本シンポジウムは、「令和4年度学校法人日本工業大学研修プログラム」に則り、大学・中高・法人本部共通のコンプライアンス研修として実施されました。
※2) SOGI:Sexual Orientation / Gender Identify(性的指向/性自認)
-
成田健一学長 挨拶 -
趣旨説明・講師紹介 西村典晃学園事務局長補佐 -
会場の様子 -
森伸恵先生の講演