第68回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)|教育力・研究力|実工学教育の日本工業大学

教育改革シンポジウム第68回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)

第68回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
彩の国連携力育成プロジェクトの概要と学生の学び

■日時:
令和 4 年 3 ⽉ 17⽇(火)  15:30~17:00

■場所:
5号館 5-203 教室

■趣旨:
 本学は、建築学科生活環境デザインコースが中心となり、2012年度から埼玉県立大学・埼玉医科大学・城西大学・埼玉県と連携して「彩の国連携力育成プロジェクト」(SAIPE)を実施し、保健・医療・福祉そして建築を学ぶ学生が、住民の暮らしを支えるために、分野を超えて様々な人材と連携する力を身につけるための教育プログラムを開発・運営してきました。
 今回のシンポジウムでは、そのSAIPEの概要、および開発したカリキュラムを導入した生活環境デザインコースのカリキュラムを紹介し、在学生と卒業生に自身が学んだことと現在の自分について語ってもらいました。その上で、この取り組みの意義と課題を考えました。

■プログラム:
司会:教育研究推進室課長 大塚 竹郎
開会のあいさつ:学⻑ 成⽥ 健⼀
講演1.彩の国連携力育成プロジェクトの概要(2012~2021年までの展開)
     埼玉医科大学医学教育センター 助教 金田 光平 先生
講演2.「彩の国連携科目」を導入した建築学科生活環境デザインコースのカリキュラム
     建築学科生活環境デザインコース 勝木 祐仁 准教授
講演3.「彩の国連携科目」による学生の学び
     建築学科生活環境デザインコース 野口 祐子 教授、本学卒業生および在学生4名
閉会のことば:城西大学前学長・薬学部薬学科 教授 白幡 晶 先生

■参加者数:
会場参加者)21名・(オンライン参加者)130名

内容の紹介
 一つ目の、金田光平先生の講演では、はじめに、医学部の教育が昔と比べて大きく変わってきていることが紹介された。すなわち、チーム医療や医療と社会とのかかわりなどの地域包括ケアに関する教育が重要視されている。その流れに沿った一つの取組みとして、2012年から「文部科学省大学間連携共同教育推進事業」に採択された「彩の国連携力育成プロジェクト」がスタートしたこと、およびその取り組みである専門職連携教育(IPW)の開発に関するプロジェクト、およびカリキュラム開発に関する経緯が紹介された。さらに、プロジェクト修了後も、埼玉県立大学、埼玉医科大学、城西大学および本学の4大学と埼玉県により、現場の専門職を対象とした活動をスタートさせたこと、取り組みとして、職能団体との意見交換会などを実施していることなどの本年までの活動の内容が紹介された。
 二つ目の、本学建築学科勝木祐仁准教授の講演では、金田先生の講演を受け、前述の連携事業で開発された本学の5つの科目について紹介された。科目は、「ヒューマンケアと生活空間」、「ケア空間体験実習」、「協働デザインの手法」、「福祉空間の設計」および「専門職連携実習」である。2012年から現在までの各科目導入のための設計や実施過程、ヒューマンケアに関する学習において、“ひと”の多様性や“ひと”との関わる姿勢に関して学ぶことの大切さ、協働デザインにおいて、チーム形成やチームマネジメントについて学ぶということ、他大学との学生混合チームによる演習や実習の内容、および授業におけるリフレクションの大切さなどが紹介された。
 三つ目の講演では、本学建築学科野口祐子教授のコーディネートにより、本学卒業生の牧野さん、三上さん、および在学生の小島さん、須藤さんから体験談などが紹介された。三上さんは、企業で住環境プランナーとしての仕事をされており、建築の知識に加え、大学で学んだ介護福祉の知識を生かした仕事をされている。住み慣れた家をより良くするための介護リフォームの提案をするにあたり、生活者の暮らしと向き合うこと、生活者の現在のみならず、過去および未来まで考えること、ひいては生活者の人生に寄り添うことが大切であると話していた。一方、在学生の須藤さんは、医療系の学生と一緒に学ぶことにより、建築士として医療福祉現場にかかわる場において、協働の重要性が少しずつわかってきたと話していた。

(教育研究推進室 神 雅彦)

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    成田健一学長挨拶
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    金田光平先生の講演
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    勝木祐仁准教授の講演
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    野口祐子教授によるコーディネート
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    卒業生と学生の発表
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    白幡晶先生による閉会のことば

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