TOPICSトピックス
単細胞生物(粘菌)でヒトのがん関連タンパク質を捉える!~高大連携による高校生の探究学習から生まれた研究成果が国際学術誌『PLOS ONE』に掲載
基幹工学部環境生命化学科の佐野健一教授の研究グループは、アメーバ粘菌(Physarum polycephalum)を用いた独自のバイオアッセイ系により、ヒトのがん関連タンパク質が誘導する分子ジャミングと確率的な行動応答を発見しました。
本研究は、本学が長年推進してきた栃木県立小山高等学校との高大連携協定に基づいて行われた課題研究の支援をきっかけに大きく発展したものです。高校生時代の研究参加が正当に評価され、第2著者として国際学術誌『PLOS ONE』に論文が掲載されるという、高大連携の理想的な成功モデルとなりました(下記のリンク参照)。
■研究のポイント
学術的成果:アメーバ粘菌という巨大な単細胞生物の行動応答を利用し、ミクロなヒトがん関連タンパク質やその治療薬の働きを視覚的・物理的に捉える新しいアッセイモデルを提示しました。

■高大連携の実績
連携協定校の高校生が課題研究活動として大学のラボで直接実験に参画。本研究成果を活かして志望校への合格・進学を果たし、高大連携が生徒のキャリア開拓に直接結びつきました。
■研究代表者からのコメント
今回の研究は、粘菌の行動と最新の分子細胞生物学がつながる非常にエキサイティングな成果です。そして何より、高大連携を通じて高校生が主体的に研究に取り組み、世界の研究者と対等に議論できるレベルの論文成果として結実したことを大変嬉しく思います。 大学の設備や知見を活用した課題研究や探究は、教科書の知識を超えた『本物の科学の面白さ』を実感できる絶好の機会です。特別な枠組みの有無にかかわらず、高校生と大学が共に挑む探究学習には無限の可能性があります。本成果が、将来の日本の科学を担う中高生の皆さんにとって『自分も世界へ発信できる』という大きな勇気と挑戦のきっかけになれば幸いです。
●PLOS One
Bacterial expression of human small GTPases induces stochastic predatory responses and motility interference in Physarum polycephalum
※ 本記事で使用している図は、PLOS ONEに掲載された本論文を基に日本語化・改変したものです。
●環境生命化学科 生体分子化学研究室(佐野研究室)
https://www.nit.ac.jp/department/chemistry/lab/lab3/biomolecule