第55回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)|教育力・研究力|実工学教育の日本工業大学

教育改革シンポジウム第55回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)

学生のジェネリックスキルの評価と伸長法を考える

平成30年7月5日開催

本学1年生のリテラシー・コンピテンシー能力を把握し、教育改革へ役立てるために

1.はじめに

6月1日(金)に、本学では1年生を対象に「ジェネリックスキル試験」を実施しました。
この試験のデータをどう読み解き、本学の教育改革へどう反映させるべきかを考えるきっかけを目指した教育改革シンポジウムを、7月5日(木)に学内で開催しました。

2.教育改革シンポジウムの概要

株式会社リアセックの中込 洋 氏が標記試験の結果を振り返り、1年生の全体集計データの解説を行ないました。趣旨は下記のとおりであり、解説の後には4名の教員から質疑があり、活発な議論が行われました。

  • リテラシー要素は全国平均よりやや劣るが、コンピテンシー要素は一部の学科で全国平均を上回る。
  • 全学科とも「多様性理解」の要素は得意だが、「相談、指導・他者の動機付け」「ストレスマネジメント」はやや苦手。

続いて「ジェネリックスキル評価を教育にどう生かすのか?」をテーマに、神 教育研究推進室長、教職教育センター・小山 将史 准教授より下記の解説がなされました。

(神)今回の試験と併せ実施した大学独自アンケートの結果を解説した。高校時代、クラブ活動は勿論だが自分の好きな時間を過ごすことに力を入れ、高校や両親の紹介で本学を知った学生が多い。1週間あたりの授業時間外学習時間は2時間程度に留まる。技術系への就業を希望する者も多い。ジェネリックスキル試験結果と相関に関しては、今後学生と面談し、行動履歴を検証していきたい。

(小山)教職課程受講者にジェネリックスキル試験を試行したところ、全国平均との乖離は少ない。今後も本学学生の特性を大局的に検証し、3年生になった時点でジェネリックスキルがどう変化していくかを注視することがとても重要。

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    シンポジウム風景
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    小山准教授による解説

3.今後に向けて

今回の教育改革シンポジウムは、ジェネリックスキル試験の内容と今後の検討方向について議論すると共に、本学学生の行動特性を客観的指標に基づき明らかにし、大学改革で謳われる「社会人基礎力」の養成に向けて教職員は何を考え、行動すべきかを明確にする機会となりえたのではないかと思われます。

ジェネリックスキル試験の実施だけでは、学生の行動特性を向上させていくことは当然できません。普段の授業の改善など、教育改善は勿論のこと、学生のサポートやクラブ活動など、本学キャンパスにおける学生生活面も教職員はこれまで以上に注視し、能動的に行動できるエンジニアを養成し、社会に輩出すべきことを常に考える必要があります。

教育改革にゴールはありません。 本学は、今後もPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)を回し、「実工学教育」をさらに進化させていきます。

作成:教育研究推進室、IR室

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