第58回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)|教育力・研究力|実工学教育の日本工業大学

教育改革シンポジウム第58回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)

授業評価2018 「教育目的を達成する授業とは」

平成31年3月5日開催

1.はじめに

 本学では、授業の改善と学習成果の向上を目指し、「学生による授業評価アンケート」および「教職員による授業参観/相互評価」を実施しております。
 今年度の授業評価結果の分析および特徴ある授業について紹介し、本学の教育改革をどのように進めるべきかを考えるきっかけを目指す教育改革シンポジウムを、3月5日(火)に学内で開催しました。

2.教育改革シンポジウムの概要

 IR室長 神雅彦教授 より、「2018年度の授業評価の概要」として、はじめに本学における教育目的とステークホルダーを取り巻く環境の現状等についての把握がなされた。また、文部科学省が掲げる学力の三要素を踏まえた本学の教育への取組みとその検証のための教職員による授業参観・相互評価、及び学生による授業評価アンケート調査の取組みについて、解説がなされた。さらに、次年度に向けた本学教育の点検及び改善方法等の計画について紹介がなされた。
 続いて、「学生による授業評価アンケートおよび教職員による授業参観結果の分析」をテーマに、IR室 中村 久美子 より2018年度授業アンケート調査の分析結果の概要、春学期調査分析の詳細について説明がなされた。GPAの高い学生のアンケート回答率が比較的高い傾向にあること、また特色ある取組み科目の例として、情報工学科のアクティブラーニング科目、建築学科の設計・製図科目が、他の専門科目と比べてアンケート結果が高評価であったことが示された。さらに、授業参観を通しての教職員から見た魅力ある授業の取組み例が報告された。
 次に、学生による授業評価アンケート及び教職員の授業参観結果において指標ごとに評価ポイントが高かった先生方より、授業の紹介やデモンストレーション等が行われた。

モデレーター 共通教育学群 衛藤 和文

(1)「自己理解と対人関係の心理学」での取組み   共通教育学群 瀧ヶ崎 隆司
(2)「流体の力学」授業紹介
―「わかるとは何か」を意識しながら―   機械工学科 瀧澤 英男
(3)「教育用匿名チャットボード"Outis"を用いた授業展開とその方法」   共通教育学群 南谷 奉良
(4)「教育心理学の知見を用いた教育心理学の授業構成」   共通教育学群 山口 剛
 最後に、2018年度特別研究費 教育プログラム開発費「アクティブラーニングに関する研究」について、下記の題目で報告がなされた。

「学生の主体性と対話力・表現力を高めるアクティブラーニング」
―授業実践とワーキンググループの成果と課題― 共通教育学群 松井 克典

 最後に、2018年度特別研究費 教育プログラム開発費「アクティブラーニングに関する研究」について、下記の題目で報告がなされた。

「学生の主体性と対話力・表現力を高めるアクティブラーニング」
―授業実践とワーキンググループの成果と課題―
共通教育学群 松井 克典

  • symposium58_1.png
    神教授による解説
  • symposium58_2.png
    南谷先生による授業紹介

 今回の教育改革シンポジウムでは、学生による授業アンケート調査の動向と現状について、種々の情報を共有することができました。また、教職員から高評価された授業の取組みの紹介は、本学の授業の改善と質向上の一助になるものと期待されます。
 特色ある科目としてのアクティブラーニング科目や学生それぞれに1台の製図台が与えられる設計製図関連科目に対する学生の授業評価が、いずれのアンケート項目でも他の専門科目に比べ高評価であったことは、これからのカリキュラム・授業改善への取組みに有用な手がかりになると期待されます。今回得られたこれら知見は、今後検討すべき事項やその方向性を示唆するものであり、これを基に大いに討論を重ねていくことが必要でしょう。

 授業改善をはじめとする教育改革は勿論のこと、学生のサポートやクラブ活動など本学キャンパスにおける学生生活面においても教職員はこれまで以上に注視し、能動的かつ協調して行動できるエンジニアを養成し、社会に輩出することを常に考える必要があります。

 教育改革にゴールはありません。 本学は、今後もPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)を回し、「実工学教育」をさらに進化させていきます。

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