教育改革シンポジウム第56回教育改革シンポジウム(FD/SD研修会)
学生のジェネリックスキルの評価と伸長法を考える(第2回)
平成30年11月15日開催
本学1年生と3年生のリテラシー・コンピテンシー能力を把握し、教育改革へ役立てるために
1.はじめに
9月19日(水)に、本学の3年生を対象に「ジェネリックスキル試験」を実施しました。
この試験から得られたデータをどう読み解き、本学の教育改革へどう反映させるべきかを考えるきっかけを目指した教育改革シンポジウムを、11月15日(木)に学内で開催しました。
2.教育改革シンポジウムの概要
株式会社リアセックの山本めぐみ氏より、標記試験の結果を振り返り、3年生全体の集計データに基づいて、以下の内容を中心に解説いただいた。
- リテラシー要素は全国平均よりやや劣るが、コンピテンシー要素は一部の学科で全国平均を上回る。
- 全学科とも「多様性理解」の要素は得意だが、「相談、指導・他者の動機付け」はやや苦手。
続いて、「1年生の学生インタビューから見えてきたもの」をテーマに、IR室 中村久美子よりジェネリックスキル試験の結果が高スコアだった学生へのインタビュー内容について、具体的な説明がなされた。いずれの学生も、大学入学までにさまざまな形態の誇れるものや成功体験例を持っていることが自信に繋がっており、皆どのような質問に対してもレスポンス良く答え、自分の主張もしっかり行えている印象を受けた、との知見が紹介された。
最後に、「ジェネリックスキル評価を教育にどう活かすのか?」をテーマに、IR室長 神雅彦教授 よりジェネリックスキル試験結果及び学生へのインタビューの総括、コンピテンシーを伸ばす教育をどのようにカリキュラムに反映させるか、今後のプログラム等を中心に振り返りを含めた解説がなされた。以下が主な内容である。入学生の多様化や高大接続改革を念頭に、多面的・総合的に評価するジェネリックスキルを導入したカリキュラム構築が必要である。思考力、判断力、自主性を培っていくために、アクティブラーニング、グループワークをカリキュラムに積極的に取り入れていくこと、またディプロマのあり方については、従来の判断要素に加え、新しいキャリア教育の実施や卒業研究の充実、進学促進のための学部・大学院の連携教育等について検討していく必要がある。
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シンポジウム風景 -
神教授による解説
3.今後に向けて
今回の教育改革シンポジウムでは、本学学生のジェネリックスキルの現状を知るとともに、今後これをどのように入口から出口までの教育に反映させていくか、その基本的あり方と現状の活動についての情報を、全教職員で共有することができました。
ジェネリックスキル試験の分析結果を踏まえ、今後検討すべき事項やその方向性について議論を重ねるとともに、本学学生の行動特性を客観的指標に基づき明らかにし、大学改革で謳われる「社会人基礎力」の醸成に向けて、教職員は何を考え、どう行動すべきかを明確にする機会になったものと考えます。
授業改善をはじめとする教育改革は勿論のこと、学生のサポートやクラブ活動など本学キャンパスにおける学生生活面においても教職員はこれまで以上に注視し、能動的かつ協調して行動できるエンジニアを養成し、社会に輩出することを常に考える必要があります。
教育改革にゴールはありません。
本学は、今後もPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)を回し、「実工学教育」をさらに進化させていきます。
作成:IR室